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  • 直木賞受賞作 待望の映画化
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INTRODUCTION

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黒川博行の第151回直木賞受賞作「破門」、待望の映画化!

1997年3月、一冊の単行本が発売された。稀代のストーリーテラー黒川博行の「疫病神」。ここで生み出されたやくざとカタギのコンビの物語は大人気を博し、≪疫病神≫シリーズとして、2016年までに6作品が発表されることとなった。シリーズ第5作「破門」で第151回直木賞を受賞。本作はこの小説の映画化であり、シリーズ初の映画化作品である。メガホンを取ったのは『毎日かあさん』、『マエストロ!』の小林聖太郎監督。WOWOW連続ドラマW「煙霞-Gold Rush-」で黒川氏の原作を映像化して以来、氏が全幅の信頼を寄せる小林監督に代表作ともいえる本作を預け、再タッグを組んだのである。映画タイトルは『破門 ふたりのヤクビョーガミ』。

イケイケやくざと、ぐーたらビンボーの凸凹コンビが儲け話にダマされた!!大阪を舞台にアクションと大阪弁の掛け合い満載の大追跡エンタテインメント!

主人公は、イケイケやくざの桑原とヘタレで貧乏な建設コンサルタントの二宮。映画製作出資金を持ち逃げされた二人は、失踪した映画プロデューサー、小清水を追って関西、マカオを奔走。何とか居場所を突き止めるも寸前で逃げられてしまう。キレた桑原によるハチャメチャな追走劇はまさかの大トラブルへ発展!追っている筈が何者かに追われるハメに!進退窮まった二人は生き残りをかけた大勝負に出るが-。

二宮は父がやくざだったこともあり、裏社会に片足を突っ込んでいるものの、あくまでカタギである。しかし、桑原と知り合ったことで、様々なトラブルに巻き込まれていく。一方の桑原は、二宮をいいように利用しながらも、出たとこ勝負の二宮のせいで何度もピンチに立たされることに。二人は互いに互いをうっとうしい「ヤクビョーガミ」と思っているが、なぜか離れられない凸凹コンビ。このくされ縁の二人が、ある時は力で、ある時は知恵で、ダマした詐欺師を追い詰めていく。そこで浮かびあがる欲望渦巻く社会の裏側。世の中の裏の裏のカラクリを覗き見る快感!加えて血湧き肉躍るアクション!大阪弁でのセリフの応酬!やくざは出てきても、ヤクザ映画ではない、キャラクターの魅力と映画のダイナミズムを余すところなく描き出した新たなバディ・ムービーが誕生した。

佐々木 蔵之介と横山 裕 W主演。日本映画界屈指の実力派俳優が結集!

桑原保彦を演じたのは、人気、実力ともにトップ俳優の佐々木蔵之介。「額の傷」「縁なしメガネ」という出で立ちで、どこかスマートなビジネスマンのようでいながら一度キレたら手が付けられないイケイケやくざを演じた。小林監督は桑原を「大阪の街にうごめくリアルなやくざ像を再現するというよりも、より普遍的な“絶対に一緒に仕事をしたくない人物”として描くことを心がけた」と言う。佐々木もそれに呼応し、原作の人物造形を基に、衣装メイクと共に桑原像を作りあげた。相棒となる二宮啓之を演じたのは横山裕。いわずとしれた人気アイドルグループ関ジャニ∞のメンバーで、本作が単独での映画初主演作となる。金なし、女なしの ぐーたらビンボーを気負わず演じ、佐々木との見事なコンビネーションを見せた。更に二宮が思いを寄せるいとこの悠紀に人気、実力を兼ね備えた女優の北川景子。北川は映画で初めて全編大阪弁で演じた。そして桑原の属する組の若頭、嶋田には、国際派俳優の國村隼。映画初出演となるジャニーズWESTの濱田崇裕と若手実力派の矢本悠馬が桑原の弟分を演じたほか、キムラ緑子、木下ほうか、中村ゆり、橋本マナミ、宇崎竜童ら錚々たる面々が本作に参加した。極めつけは橋爪功。二人を翻弄する詐欺師、映画プロデューサーの小清水を演じ、哀れさと笑いが同居する小悪党をチャーミングに見せた。大阪が舞台ということもあり、橋本以外は関西出身のキャストが結集。生きた大阪弁での丁々発止と相まって、バラエティに富んだ豪華俳優達の競演は大きな見どころの一つとなっている。

STORY

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舞台は大阪。弁は立つが、ぐーたらビンボーな建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)は
サバキと呼ばれる建設現場での暴力団対策の仕事を主な収入としていた。
この仕事を通じて二蝶会のイケイケやくざの桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合ったのが運のつき。
以来、何かとトラブルに巻き込まれっぱなしの、いわば、桑原は二宮の≪疫病神≫である。
縁を切りたいのに、今やコンビとみまごう二人に、何かと二宮を手伝ってくれるいとこの悠紀(北川景子)からは、
「本当は桑原のことが好きなんじゃないの?」と言われる始末。
そんなある日、二宮は映画プロデューサーの小清水(橋爪功)が持ち込んだ映画企画を、
桑原のいる二蝶会の若頭、嶋田(國村隼)に紹介したことから、
二蝶会が系列のシマダカンパニー名義で出資をすることに。
嶋田は二宮の父親が現役のやくざだった頃の舎弟で、
子供の頃から二宮を、啓坊、啓坊と可愛がってくれていた父親代わりのような存在だった。

しかし小清水は金を持ったまま、愛人の玲美(橋本マナミ)とドロン。出資詐欺か!?
詐欺師・小清水を追いかけるため、桑原は二宮を巻き込んで、
大阪、マカオと奔走するが、見つかってはするりと逃げる小清水にふたりは翻弄され続ける。
遂にキレた桑原のハチャメチャな追走劇は、弟分の木下(濵田崇裕)とセツオ(矢本悠馬)らも加わり、
組を巻き込んだ大きなトラブルへと発展!追っている筈が何者かに追われてる!?
絶体絶命のふたりは生き残りをかけて大勝負に挑むがー。

逃げる小清水、追う二人

CHARACTERS

キャラクター相関図 お金の流れ見取り図

KEYWORD

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    「There’s no me without you」

    都会派ソウルグループとして日本でも人気を誇るマンハッタンズの1973年のナンバー。邦題「君がすべて」。ビルボードのソウル・チャート3位、ポップ・チャートでも43位を記録するヒットとなった名曲。

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  • はり重

    まもなく創業100年を迎える大阪の味を代表する店。1919年(大正8年)に大阪府堺市で精肉店の傍らですき焼きを振舞う店を開業、昭和23年には道頓堀に本店を移し、現在は和食だけでなく洋食レストラン、百貨店へ出店を広げている。嶋田が二宮家に兄貴分の月命日の供物に持ってくるところで登場。

    はり重

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    サバキ

    主要な事柄を順調に進めるため、あらかじめ行う事前処理を前捌きという。建設現場などで、工事をする際に嫌がらせをされないように事前にやくざに依頼し、他のやくざに嫌がらせをされないように前捌きが必要となることが多い。二宮はこの前捌き(略してサバキ)を建設会社から依頼を受け、やくざに依頼し仲介することを仕事としている。

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    カジノカード

    各カジノが固定客をつかむために発行している会員カード。会員といっても特に会費や入会金があるわけではなく、21歳以上の者であれば原則として誰でも入会できる。各カジノによって "スロットクラブカード"、"カジノクラブカード" などさまざまな名称が付けられている。会員は、そのカジノの利用度に応じて現金や景品などの特典を受けることができる。

    カジノカード

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  • 製作委員会

    映画に賛同し参加する仲間を募り、参加者同士それぞれ費用を出し合って投資リスクを分散し、共同で著作権を持ち、収益を分配する組織のこと。1980年代以降、ほとんどの日本映画がこの方式を取っており、映画会社、テレビ局、広告代理店、新聞社、出版社、IT企業、ネット関連、流通関係、商社、芸能プロダクション、音楽会社などの業種が参加している。これらの企業は、作品に出資参加するだけでなく、各社の業務フィールドの中で映画の宣伝とヒットのために力を合わせて協力体制をとることで、映画製作プロジェクトを成功させる確率が上がるというメリットがある。

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    白地手形(しらじてがた)

    後日補充させる意思で、手形要件の全て、または一部の記載は完了されていない未完成のまま振り出された手形のこと。 手形法10条と77条により、白地手形に勝手に補充されても、所持人が悪意または重大なる過失で手形を取得したとき以外は、振出人は所持人に対抗できないとされている。

    白地手形

出典・参考:証券投資用語辞典/Premium Web、経済産業省「映像制作の収支構造とリクープの概念」/「はり重」HP

CAST

佐々木蔵之介/桑原保彦

1968年生まれ、京都府出身。大学在学中から劇団「惑星ピスタチオ」で看板俳優として活躍。00年、NHK連続テレビ小説「オードリー」で注目される。以降、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。05年には自らプロデュースを務める演劇ユニット「Team申」を立ち上げる。主な映画出演作に『間宮兄弟』(06/森田芳光監督)、『ソロモンの偽証 前篇・後篇』(15/成島出監督)、『残穢【ざんえ】ー住んではいけない部屋ー』(16/中村義洋監督)など。15年『超高速!参勤交代』(本木克英監督)にて第38回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。主演舞台「BENT」が7月、8月に上演。『超高速!参勤交代 リターンズ』(16/本木克英監督)が9月に公開されたばかり。『3月のライオン』(17/大友啓史監督)、『美しい星』(17/吉田大八監督)、『花戦さ』(17/篠原哲雄監督)が公開待機中。
佐々木蔵之介 横山裕

横山 裕/二宮啓之

1981年生まれ、大阪府出身。02年関ジャニ∞を結成。04年「浪花いろは節」でCDデビュー。以降、バラエティ、ドラマ、映画、音楽と幅広く活躍。ドラマ「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」(16/KTV・CX系)、「水球ヤンキース」(14/CX)、「パパドル!」(12/TBS)、「CONTROL~犯罪心理捜査~」(11/CX)など。映画では『エイトレンジャー』シリーズ(12、14/堤幸彦監督)、『天地明察』(12/滝田洋二郎監督)に出演。現在、バラエティ「関ジャニ∞のジャニ勉」(KTV)、「関ジャム完全燃SHOW」(EX)、「関ジャニ∞クロニクル」(CX)などに出演する他、「ヒルナンデス!」(NTV)では木曜日レギュラーを務める。本作ではうだつの上がらない堅気の建設コンサルタント、二宮啓之役を演じ、映画初主演を果たした。
  • 北川 景子/渡辺悠紀

    1986年生まれ、兵庫県出身。2003年女優デビュー。06年、森田芳光監督の『間宮兄弟』で映画初出演。その後「謎解きはディナーのあとで」(11/CX)、「悪夢ちゃん」(12/NTV)、「HERO(第2期)」(14/CX)、「家売るオンナ」(16/NTV)など話題のTVドラマに出演。人気・実力を兼ね備えた女優として認められている。近年の主な映画出演作は、『Paradise Kiss』(11/新城毅彦監督)、『映画 謎解きはディナーのあとで』(13/土方政人監督)、『抱きしめたい-真実の物語-』(14/塩田明彦監督)、『悪夢ちゃん The 夢ovie』(14/佐久間紀佳監督)、『HERO』(15/鈴木雅之監督)、『の・ようなもの のようなもの』(16/杉山泰一監督)など。

  • 濵田崇裕(ジャニーズWEST)/木下

    1988年生まれ、兵庫県出身。2014年4月、ジャニーズWESTのメンバーとしてCDデビュー。2016年には、「歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋」で舞台初主演。その他の舞台出演は、「滝沢歌舞伎」(12)、「ANOTHER」(13)など。主なドラマ出演は「DRAMATIC-J」シリーズ(08,09/KTV)、「SHARK」シリーズ(14/NTV)、「ノンママ白書」(16/THK・CX)など。本作で映画初出演。佐々木蔵之介演じる桑原保彦の弟分を演じ、激しいアクションシーンにも挑戦した。

  • 矢本 悠馬/セツオ

    1990年生まれ、京都府出身。2003年映画『ぼくんち』(阪本順治監督)で子役デビュー。その後11年より大人計画の研究生として参加し、12年に同研究生とともに「劇団こまつな」を旗揚げする。TVでは、NHK連続テレビ小説「てるてる家族」(03)、「ごめんね青春!」(14/TBS)、「ゆとりですがなにか」(16/NTV)などに出演。「ブスと野獣」(15/CX)では主演を務めた。主な映画出演作は『銀の匙 Silver Spoon』(14/吉田恵輔監督)、『クローズEXPLODE』(14/豊田利晃監督)、『トワイライト ささらさや』(14/深川栄洋監督)、『ちはやふる-上の句・下の句-』(16/小泉徳宏監督)など。

  • 木下 ほうか/初見

    1964年生まれ、大阪府出身。81年、映画『ガキ帝国』(井筒和幸監督)で俳優デビュー。名バイプレイヤーとして様々なドラマや映画に出演。最近ではバラエティ番組でブレイクし、お茶の間の人気も急上昇中。俳優の他、映画のプロデュースや監督など活躍は多岐に渡る。主な映画出演作は、『ゲロッパ!』(03/井筒和幸監督)、『おかえり、はやぶさ』(12/本木克英監督)、『木屋町DARUMA』(15/榊英雄監督)、『ソロモンの偽証 前篇・後篇』(15/成島出監督)、『民暴』(16/貝原クリス亮監督)など。小林聖太郎監督作品には映画『毎日かあさん』(11)、TVドラマ「煙霞-Gold Rush-」(15/WOWOW)に続く出演となる。

  • 中村 ゆり/多田真由美

    1982年生まれ、大阪府出身。2007年『パッチギ! LOVE&PEACE』(井筒和幸監督)でヒロインを演じ、2007年度全国映連賞女優賞、第3回おおさかシネマフェスティバル新人賞を受賞。以降、舞台、映画、TVと幅広く活躍。主な映画出演作に『百年の時計』(13/金子修介監督)、『そして父になる』(13/是枝裕和監督)、『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』(14/キム・ソンス監督)、『ハッピーランディング』(15/天野千尋監督)、主演映画『ディアーディアー』(15/菊地健雄監督)など。本作で『マエストロ!』(15)、「煙霞-Gold Rush-」(15/WOWOW)に続く小林聖太郎監督作への出演となった。

  • 橋本 マナミ/玲美(真鍋恵美)

    1984年生まれ、山形県出身。コンテストでの受賞をきっかけに芸能界入り。ドラマや映画、バラエティなど様々なシーンにおいて活躍をしている。今年はNHK大河ドラマ「真田丸」をはじめ、「不機嫌な果実」(EX)、「せいせいするほど、愛してる」(TBS)などのTVドラマに出演。映画では『全員、片想い/イブの贈り物』(16/伊藤秀裕監督)にてW主演ながら映画初主演を飾った。主な映画出演は、『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』(13/木村ひさし監督)、『オー!ファーザー』(14/藤井道人監督)などがある。

  • キムラ 緑子/二宮悦子

    1961年生まれ、兵庫県淡路島出身。劇団M.O.P.を経て、数々の舞台、映画、ドラマで印象を残す。13年NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」では、ヒロインのいけずな義姉役を演じて注目を集める。主な映画作品に『パッチギ!』シリーズ(05・07/井筒和幸監督)、『ディア・ドクター』(09/西川美和監督)、『おとうと』(10/山田洋次監督)、原田眞人監督作『わが母の記』(12)、『駆込み女と駆出し男』(15)、『日本のいちばん長い日』(15)など。『ぼくのおじさん』(16/山下敦弘監督)、『続・深夜食堂』(16/松岡錠司監督)が公開待機中。

  • 宇崎 竜童/滝沢

    1946年京都府生まれ。73年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成しデビュー。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」 など数々のヒット曲を生み出し、作曲家としても数多くの楽曲を提供している。音楽活動のほか、俳優として映画やドラマ出演など活躍は多岐に渡る。 『駅 STATION』 (81/降旗康男監督) では日本アカデミー賞最優秀音楽賞と優秀助演男優賞を、『上海バンスキング』(84/深作欣二監督)で同賞優秀助演男優賞を受賞している。近年の主な映画出演作に『パーマネント野ばら』(10/吉田大八監督)、『任侠ヘルパー』(12/西谷弘監督)、『ペコロスの母に会いに行く』(13/森崎東監督)、『グラスホッパー』(15/瀧本智行監督)など。

  • 國村 隼/嶋田勝次

    1955年生まれ、大阪府出身。映画を中心に多くの作品に出演。近年の主な映画出演作は、主演作『地獄でなぜ悪い』(13/園子温監督)、『あさひるばん』(13/やまさき十三監督)をはじめ、『天空の蜂』(15/堤幸彦監督)、『シン・ゴジラ』(16/庵野秀明総監督・ 口真嗣監督)など。今後の公開作は『海賊とよばれた男』(16/山崎貴監督)、『忍びの国』(17/中村義洋監督)、『鋼の錬金術師』(17/曽利文彦監督)、『ジョジョの奇妙な冒険』(17/三池崇史監督)など。また、ジョン・ウ-監督作品『追捕 MANHUNT(原題)』や、本年のカンヌ国際映画祭に招待され、韓国内で800万人の観客動員で今年の話題作となったナ・ホンジン監督最新作『哭聲/コクソン(原題)』(17年3月日本公開)で、「DMCフェステイバル2016 APAN STAR AWARDS」特別俳優賞を受賞している。

  • 橋爪 功/小清水隆夫

    1941年生まれ、大阪府出身。文学座、劇団雲を経て、75年に演劇集団円の設立に参加。以後、映画・舞台・TVドラマ等、幅広い分野で活躍。森田芳光監督の『キッチン』(89)、『おいしい結婚』(91)、鴻上尚史監督の『ジュリエット・ゲーム』(89)、ジェームス三木監督の『善人の条件』(89)では日本アカデミー賞優秀助演男優賞、和泉聖治監督の『お日柄もよくご愁傷さま』(96)、山田洋次監督作『東京家族』(13)では同主演男優賞を受賞している。主な映画出演作に『奇跡』(11/是枝裕和監督)、『永遠の0』(13/山崎貴監督)、山田洋次監督作『小さいおうち』(14)、『母と暮せば』(15)、『海よりもまだ深く』(16/是枝裕和監督)など。『家族はつらいよ』(16/山田洋次監督)のヒットを受け、続篇映画が17年初夏公開予定。

STAFF

監督写真

小林 聖太郎/監督・脚本

1971年生まれ、大阪府出身。関西大学法学部政治学科卒業。ジャーナリスト今井一の助手を経て、95年、原一男監督主宰のCINEMA塾に参加。その後演出助手として『ナビィの恋』(98/中江裕司監督)、『閉じる日』(00/行定勲監督)、『69 sixty nine』(03/李相日監督)、『ニワトリはハダシだ』(04/森崎東監督)、『パッチギ!』(04/井筒和幸監督)、『雪に願うこと』(05/根岸吉太郎監督)などに就く。06年『かぞくのひけつ』で長編劇映画監督デビュー。この作品で日本映画監督協会新人賞、新藤兼人賞・金賞を受賞。11年には『毎日かあさん』を監督し、第14回上海国際映画祭アジア新人賞部門で最優秀作品賞を受賞した。その他映画作品に、『美しき天然』(10/「にほんのうた」シリーズの1作品)、『マエストロ!』(15)がある。黒川博行原作は脚本も担当した連続ドラマW「煙霞-Gold Rush-」(15/WOWOW)に続いて2作目。
原作者写真

黒川 博行/原作者

1949年生まれ、愛媛県今治市出身。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年、『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年、「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年、『破門』で第151回直木三十五賞を受賞。他の著作に、『悪果』『繚乱』『離れ折紙』『後妻業』『勁草』など。

  • 真辺 克彦/脚本

    1969年生まれ、大阪府出身。95年オリジナルビデオ「ミッドナイトストリート~湾岸ドリフト族」で脚本家デビュー。成島出監督のデビュー作『油断大敵』(03)で小松與志子と共同脚本を手掛ける。また脚本家ユニット「公園兄弟」としても活動中で、多くの作品を手掛けている。15年公開の『ソロモンの偽証 前篇・後篇』(成島出監督)では、その年の映像作品脚本の中から選ばれる、第18回シナリオ作家協会「菊島隆三賞」を受賞した。『毎日かあさん』(11)で小林聖太郎監督作品に参加している。その他の映画作品は『脳男』(13/瀧本智行監督)、『深夜食堂』(15/松岡錠司監督)などがある。また『続・深夜食堂』(松岡錠司監督)が今年公開予定。

  • 小嶋 健作/脚本

    1980年生まれ、福岡県出身。映画美学校8期フィクションコース修了後、シナリオ講座第60期基礎科・研修科にて真辺克彦、木田紀生、井上正子に師事、脚本を学ぶ。テレビドラマ「深夜食堂3」(MBS)で脚本家デビュー。『深夜食堂』(15/松岡錠司監督)と『続・深夜食堂』(16/松岡錠司監督)で真辺克彦、松岡錠司と共同脚本を手掛ける。

  • 浜田 毅/撮影

    1951年生まれ、北海道出身。71年大蔵映画に撮影助手として入社後、83年『生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言』(森崎東監督)で撮影技師として映画デビュー。『陰陽師・』『壬生義士伝』(03)、『おくりびと』(08)、『天地明察』(12)などで滝田洋二郎監督と組み、『おくりびと』では日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。その他の映画作品に『血と骨』(04/崔洋一監督)、『子ぎつねヘレン』(06/河野圭太監督)、『涙そうそう』(06/土井裕泰監督)、『椿三十郎』(07/森田芳光監督)、『利休にたずねよ』(13/田中光敏監督)などがある。

  • 髙屋 齋/照明

    1949年生まれ、青森県出身。83年木俣堯喬監督の『鍵』でデビュー。『GO』(01/行定勲監督)と『座頭市』(03/北野武監督)、『おくりびと』(08/滝田洋二郎監督)で日本アカデミー賞最優秀照明賞、また滝田洋二郎監督の『僕らはみんな生きている』(93)と、北野武監督の『HANA-BI』(97)、『Dolls[ドールズ]』(02)、『血と骨』(04/崔洋一監督)で同賞優秀照明賞を受賞。近年は、『ペコロスの母に会いに行く』(13/森崎東監督)、『サクラサク』(14/田中光敏監督)、『合葬』(15/小林達夫監督)などがある。

  • 西村 貴志/美術

    1972年生まれ、静岡県出身。95年松竹大船撮影所入社後、美術助手として山田洋次監督、滝田洋二郎監督らの作品に参加。『犬と私の10の約束』(08/本木克英監督)で美術担当デビュー。近作は『京都太秦物語』(10/山田洋次監督、阿部勉監督)、『おかえり、はやぶさ』(12/本木克英監督)、『ひまわりと子犬の7日間』(13/平松恵美子監督)、『白ゆき姫殺人事件』(14/中村義洋監督)『好きっていいなよ。』(14/日向朝子監督)、『ソロモンの偽証 前篇・後篇』(15/成島出監督)などがある。

  • 鈴木 肇/録音

    1961年生まれ、神奈川県出身。録音助手として大船撮影所を中心に数々の映画やテレビドラマに携わる。1996年『岸和田少年愚連隊』(井筒和幸監督)で技師デビュー。主な映画作品に『刑務所の中』(02/崔洋一監督)、『SHINOBI』(05/下山天監督)、『釣りバカ日誌20 ファイナル』(09/朝原雄三監督)、『カラスの親指』(12/伊藤匡史監督)、『はじまりのみち』(13/原恵一監督)などがある。その他、近年では、『ホットロード』(14/三木孝浩監督)、『愛を積むひと』(15/朝原雄三監督)、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16/三木康一郎監督)がある。

  • 橘樹 陽児/編集

    1973年生まれ、東京都出身。01年日本映画学校卒業後、フリーの編集助手として三谷幸喜監督、行定勲監督、佐々部清監督らの作品に参加。『みんなのいえ』(01/三谷幸喜監督)、『ピンポン』(02/曽利文彦監督)、『北の零年』(05/行定勲監督)、『出口のない海』(06/佐々部清監督)、『カムイ外伝』(09/崔洋一監督)などの作品に携わり、『はじまりのみち』(13/原恵一監督)で技師デビュー。その他に『好きっていいなよ。』(14/日向朝子監督)などがある。

  • 二家本 辰己/疑斗

    953年生まれ、山口県出身。ジャパンアクションクラブ(現・ジャパンアクションエンタープライズ)に入門後アクションを得意とする俳優やスタントマンとして数々の作品に参加。「ウルトラマンレオ」のスーツアクターとして有名になる。その後松田優作監督作品『ア・ホーマンス』(86)から殺陣師・アクション監督として活躍。主な映画作品は『GO』(01/行定勲監督)、『座頭市』(03/北野武監督)、『血と骨』(04/崔洋一監督)などがある。近年は『サクラサク』(14/田中光敏監督)、『ソロモンの偽証 前篇・後篇』(15/成島出監督)などがある。

MUSIC

  • 後関 好宏

    1978年生まれ。ジャズサックスを菊地成孔氏に、クラシックサックスを雲井雅人氏に師事。2000年菊地成孔氏の「DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN」(dCprG)への参加をきっかけにキャリアをスタート。その同時期に世界最大の純バリトンサックス・アンサンブル「東京中低城」へ参加しLondon Jazz Festivalにも出演した。現在は「在日ファンク」、「stim」、「WUJA BIN BIN」など様々なバンドで活躍し、スタジオミュージシャンとしても「EGO-WRAPPIN’」、Superfly、「レミオロメン」、minmin、etcのアーティストのライブやレコーディングに参加。映画、テレビ、CM、舞台などの音楽制作も手掛ける。

  • 會田 茂一

    1968年生まれ、東京都出身。大学在学中よりギタリストとしての活動をスタート。佐藤研二(bass)& 小松正宏 from bloodthirsty butchers(ds)とのバンド“FOE”を中心とし、中村達也率いる“LOSALIOS”、近年では“髭(HiGE)”に電撃加入する等、様々なアーティストと共にバンド活動を行っている。また、映画・CM音楽の制作や、木村カエラをはじめとする数多くのアーティストへの楽曲提供やプロデュースを手掛けており、幅広い音楽活動を展開している。

  • きだしゅんすけ

    1968年生まれ、東京都出身。国立音楽大学作曲学科在学中から、作曲家として活動を始める。自身のバンド活動として、ライブ・アルバム制作を精力的に行うほか、数々の劇伴・ゲーム音楽などを手掛ける。劇伴を手掛けた主な作品に『マイ・バック・ページ』(11/山下敦弘監督)、『婚前特急』(11/前田弘二監督)、『旅立ちの島唄~十五の春~』(13/吉田康弘監督)、『超能力研究部の3人』(14/山下敦弘監督)、「昼も夜も」(14/塩田明彦監督)、『セーラー服と機関銃-卒業-』(16/前田弘二監督)などがある。最新作に『バースデーカード』(16/吉田康弘監督)、『ぼくのおじさん』(16/山下敦弘監督)、『風に濡れた女』(16/塩田明彦監督)がある。小林監督作品では、2015年放送、WOWOW連続ドラマW「煙霞-Gold Rush-」で音楽を担当している。

関ジャニ∞

主題歌関ジャニ∞

2002年、関西ジャニーズJr.として活躍していたメンバーを編成し活動開始。2004年「浪花いろは節」でCDデビュー。「ズッコケ男道」「無責任ヒーロー」「オモイダマ」「前向きスクリーム!」などヒット曲多数。
4年連続での5大ドームツアーやNHK紅白歌合戦出演など、いまや日本のエンターテインメントシーンにおいて欠かせないビッググループに成長した。ライブやバラエティで見せるコミカルなセンスも評価が高く、近年ではメンバー個々の活動も充実。グループとしての幅をさらに広げている。

PRODUCTION NOTE

直木賞作品の映画化がスタート!

2014年7月、『ソロモンの偽証』の撮影をしていた佐々木蔵之介と、本作の秋田周平プロデューサーの雑談中に、一冊の小説が話題になった。それは、その頃ちょうど直木賞を受賞した黒川博行の「破門」。『超高速!参勤交代』で人情味あふれる殿様を演じた佐々木がイケイケやくざの桑原を演じたら面白いのでは!と考えた秋田は、すぐさま原作権をおさえるため出版社へ。佐々木=桑原を軸に、キャストをすべて関西出身者で揃えることをプレゼンし、十数のオファーがあった映画化権を見事獲得し、企画はスタートした。 監督として白羽の矢が立てられたのは、大阪出身でしっかりとした演出に定評のある小林聖太郎。秋田から原作を渡された頃、小林監督はちょうど黒川の原作「煙霞-Gold Rush-」のWOWOW連続ドラマWでの映像化に取り組んでおり、一年間に二作品も同じ原作者の作品を任されることに何かの縁を感じずにはいられなかったという。

撮影風景

疫病神シリーズ第5弾『破門』を映画化する苦悩とは?

撮影風景

しかし、監督の小林は、映画化を進めるにあたって根本的に二つの“問題”に悩まされたという。ひとつは、「破門」が“疫病神シリーズ”の第5作であるため、桑原と二宮の関係性がすでに出来上がっているということ。そして、長編小説だから成立している複雑で長大なストーリーの、どの部分を切り取って描くべきかということ。映画としては、二人の関係が始まるところを描くべきだという意見もあったが、結局は、ふたりがすでに腐れ縁状態というところから始まる「人間として未熟な二宮が、死ぬほど嫌いだが(男としては自分より腹が据わっていると認めざるを得ない)桑原を助けに行くまでの話」として組み直した。 もう一つのハードルは、大金を巡り、人物や組織が複雑に入り組んだ、情報量の多い話をどこまで噛み砕いて説明するか。「映画詐欺や白地手形の仕組みなどは、どんなに説明してもわからない人にはわからないし、尺がどんどん長くなってしまう。そこで、桑原と二宮の目的がなんなのか、誰を追いかけているのかさえわかればいいと割りきり、情報や解説よりも、観客が寄り添うふたりの気持ちの流れを大切にしました」(小林監督)。 こうしてオリジナルの要素も加えた脚本が出来上がった頃、ちょうど放送されたのが「煙霞-Gold Rush-」の第一話。それを視聴し、「あの原作をよくぞここまで昇華してくれた」と満足した黒川は、直接会いに行った小林監督に「監督に全部任せるわ」と男気あふれる一言を発したという。

桑原と二宮の凸凹コンビがスクリーンに見参!

「高級スーツに身を包んだ桑原は、一見しただけではヤクザには見えませんが、態度や声、眉尻の傷、眼光の鋭さなどから、カタギではないことがわかる。そういうヤクザ像を、蔵之介さんと作っていく作業は面白かったです」と小林監督は振り返る。 桑原のパートナーとなる二宮を演じる俳優に対し、小林監督が出した絶対条件は「30歳前後」「大阪弁のネイティブスピーカー」「主演を張れる力の持ち主」。それを受けて秋田プロデューサーが提案した俳優が、横山裕だった。「二宮はヤクザではないがグレーな仕事をしている ぐーたら貧乏。ダメなヤツな一方、共感も得られなければならない難しい役どころ。絶大な人気を誇る関ジャニ∞の横山さんならイメージしやすいですし、蔵之介さんとのコンビが面白くなりそうだなと思いました」(秋田)。横山について小林監督は「未熟でへたれな部分と、芯の強さと反骨心を持ち合わせている二宮のキャラクターを、肌で理解して、自分からアイデアを提案しながら演じてくれました」と賞賛する。 そんなふたりは、本読み段階から息もピッタリ 。それを見た監督は、佐々木と横山に「絶対に、相手をバディだと思わないようにしてください」という言葉をかけていた。なぜだったのか、問うと「息が合いすぎて、コンビものの刑事コメディのように感じられたんです。ふたりは一緒に行動しているけど、たまたま金銭的社会的利害関係が一致しただけで、心地よい関係でありたくはなかったので。もちろん物語の後半、一瞬だけ本当の“きずな”が生まれ……かける瞬間はあるんですが」(小林)

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現場を和ませたのはあの重鎮

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日本を代表する俳優たちの競演も本作の魅力の一つだ。橋爪功、國村隼、キムラ緑子といった重鎮でありながら常に新しい役に挑み続ける役者から、多くの主演作を持ち人気・実力を兼ね備える北川景子、バラエティやグラビアで大忙しの橋本マナミ、一癖ある役をやらせたら天下一品の木下ほうか、舞台でも活躍する演技派女優の中村ゆり、多彩な才能を持つ宇崎竜童、そして小林監督作品に毎回怪演を繰り返すツチノコ芸人テントまで出演シーンが決して多くないにも関わらず、次々とOKの返事が届いたという。その理由は、原作の魅力、制作側の熱意、脚本の出来の良さが伝わり、小林監督に対する期待値の高さなどが重なったこと。そこに、若手有望株の矢本悠馬と、ジャニーズWESTの濵田崇裕が加わり、なんともバランスの良い、贅沢なキャスティングが実現した。 監督はOKと撮り直しのジャッジが早く、リテイクの意図も明快。撮影の浜田毅らベテラン技術陣のサポートもあり、撮影は非常にスムーズに進んだ。 現場でムードメーカーになっていたのは、小清水という愛すべき小悪党を楽しみながら演じた橋爪功だったという。銀行から逃げ出すシーンでは、前日に「明日、絶対に走らないから! 年だから走れないから!」と宣言したうえで、本番では全力疾走。「昨日のあれは前フリですか!」と現場に大爆笑が巻き起こる。監督に対しても、「次の作品でも呼んでくれ」と声をかけるほど信頼を寄せていた。

向きあえば向き合うほど関西弁は多彩で奥深い

秋田プロデューサーは、「黒川作品の面白さを実写化するには、ニセ物の関西弁では無理」と考え、ほぼすべてのキャストを関西出身者で固めた。一方、監督は「極端に言えば、方言はひとりひとり違うので、すべての人を満足させるのは無理なんです。だから、『これは絶対に言えへん』という言い方を排除していきました。あとは、原作にある書き言葉としての大阪弁を、自然な話し言葉にどう落としこむか、に気を配りました。とはいえ自然なだけでは面白くないので、『性根がない』など残したものもあります」(小林監督)。 事前に方言テープを準備したのは、兵庫出身の北川景子と、京都生まれだが幼少時代に東京に引っ越した宇崎竜童、そして山形出身の橋本マナミ。北川に対しては誰も不安視していなかったが、神戸弁と大阪弁には微妙な差があるからと、北川が自ら方言テープの用意を希望した。彼女の完璧主義の一面が垣間見える。 また、関西出身といってもほとんどのキャストは東京暮らしが長いため、標準語に引きずられることも。キャスト同士で「あれ?」「今のおかしない?」など、確認しあうことがあったとか。 また、銀行で「大丈夫ですか?」と声をかけられるシーンでの、小清水が言う台詞「べっちょおまへん」は、橋爪のアドリブだ。監督は「これは『別状ない』が『別状おまへん』を経て『べっちょおまへん』となった、あの世代の関西弁ですね。聞く分にはわかりますけど、僕らも言わないです」と笑う。

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こだわりの大阪ロケ&マカオの最新カジノ場を国内に再現

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大阪で生まれ育った上、半年前に大阪、神戸で撮影していた小林監督は、今回も黒川博行作品の魅力であるリアリティ溢れる舞台設定を活かすべく、様々なロケーションを選び抜いた。 二宮の事務所は、原作通りアメリカ村の外れで見つけたが、目の前の道路が交通量が多いため、事務所前に駐車した桑原の車でのシーンは、一般車輌を捌きやすい大阪市内の駐車場にグリーンバックを張って行なった。キャスト達は「せっかく大阪に来てんのになんでグリーンバックやねん」と苦笑しながら撮影したが、落ちついて芝居を撮ることを優先。もちろん背景はアメリカ村で撮影したので、仕上がりは言わなければ分からないものになっている。 木下ほうか演じる初見たちとの取引シーンでは、あべのハルカスの展望台がロケ場所に選ばれた。原作では梅田のグランフロントに入っている書店の中での取引だったが、人が集まる商業施設で画になる場所、ということで様々な場所をロケハンし、最終的にはハルカスの展望台に決めた。撮影時には8mのクマのキャラクターがサンタの格好をしていて撤去するのは難しいことがわかり、美術部は秋を感じさせつつクマを隠す手立てを考えなければならなかった。ちなみに窓にあるNの文字も美術部の作り物なので、実際のハルカスには存在しない。 小清水が潜伏するマカオで桑原がカジノをプレイするシーンを、秋田プロデューサーは現地で撮影する方向で各所と調整をしていた。しかし、最終的には「カジノをマネーロンダリングに使う」という描き方が原因で、政府やカジノホテル側の撮影許可を得ることができなかった。ホテルからはVIPルームを貸しきっての撮影ならば可能だと提案されたが、やはりカジノのシーンで欲しいのは、広いカジノ場を引きで撮ったショットのため、マカオでは実景だけを撮影し、カジノ会場は国内のホテルで再現することを決意。日本カジノスクールの協力のもと、マカオにこれからオープンする新しいカジノを参考に、最新のカジノのマシンや小道具などを設置した。そして、国際色豊かなエキストラとともに、今のマカオのカジノの雰囲気を臨場感たっぷりに再現することに成功した。ロケハンでマカオを訪れたあるスタッフが、カジノで失った8万円も無駄ではなかったということかもしれない。

音楽へのこだわり

劇伴は、監督の希望で、ソウル・ファンク系のテーマ曲をグランド・ファンクチームの後関好宏と會田茂一に、二宮の心情につけるための弦パートを、きだしゅんすけに依頼した。また、原作で桑原がカラオケで英語の歌を歌う描写を踏まえ、小林監督は桑原が好きな歌を、脚本を作りながら聞いていたManhattansの「There's no me without you」に設定した。その理由を、「夜がないと星は見えない、悪がないと善は存在しないという歌詞の内容が、この映画全体を示すことになっているから」と説明する。 実はカラオケにほとんど行ったことがない佐々木は、カラオケで歌う特訓をしてから撮影に挑んだそうだ。これもまた注目シーンの一つとなっている。

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