映画『虹色デイズ』は、ちょっとおバカでお騒がせな男子高校生4人の[友情]と[恋]がギュッとつまった、胸がときめく感動青春ストーリー。原作は、“男子の本音がわかっちゃう”No.1青春コミック「虹色デイズ」(水野美波/集英社マーガレットコミックス刊)。少女コミックながら<主人公が男子高校生>という斬新な設定が人気を呼び、累計発行部数は335万部を突破。その人気コミックに映画ならではのオリジナル展開を加え、実写映画化を手掛けるのは、『荒川アンダー ザ ブリッジ』『大人ドロップ』の飯塚健監督。『君に届け』の根津理香と共に脚本も担当し、個性豊かな若者たちのリアルな感覚と輝きを“今しか撮れない”映像で紡ぐ。
主人公となる男子高校生たちを演じるのは、いま最も人気と勢いのある旬な若手俳優―佐野玲於・中川大志・高杉真宙・横浜流星。4人がカルテット主演を務め、男子同士ならではの息の合った演技を見せる。さらに吉川愛・恒松祐里・堀田真由・坂東希といった注目の若手女優が彼らの青春を彩る女子高生たちを、山田裕貴・滝藤賢一が高校生たちを見守る家族や教師の役で出演する。
彼らの毎日を音楽で虹色に奏でるのは、豪華アーティストたち。Dragon Ashの降谷建志がソロで書き下ろした新曲「ワンダーラスト」がエンディング・テーマとして映画のラストを飾る。その他、フジファブリック・阿部真央・Leola・SUPER BEAVERらが挿入曲として楽曲を提供。
友情・恋・進路…仲間と一緒に笑ったり悩んだりする、たった一度の青春。ありふれたようで特別な時間を過ごす4人に、きっとあなたも自分が過ごしたあの頃を重ね合わせるはず。この夏、永遠に胸に刻まれる青春映画の新しいバイブルが誕生します。

なっちゃん(佐野玲於)&まっつん(中川大志)&つよぽん(高杉真宙)&恵ちゃん(横浜流星)は、性格も趣味もちがうけど、いつも一緒な仲良し高校2年生。学校でも放課後でも、みんなで楽しい毎日を過ごしていた。ある日、恋に奥手のなっちゃんが同級生の杏奈に片想い!連絡先も交換できないなっちゃんを冷やかしながらも応援する仲間たち。そんな彼らにも変化があらわれ…。まっつんは杏奈の親友で男嫌いのまりに惹かれ始め、つよぽんは恋人のゆきりんと離れての進学に思い悩む。そして、みんなに刺激された恵ちゃんのハートにも火がついて...?!悩みながらもお互いを励まし、本当に大切なものを見つけようと奮闘する4人。春夏秋冬が過ぎ、3年になった彼らにも、卒業という終わりの時間が近づいてくる。そして迎える最後の文化祭…

相関図
なっちゃん(羽柴夏樹)
まっつん(松永智也)
つよぽん(直江剛)
恵ちゃん(片倉恵一)
杏奈(小早川杏奈)
まり(筒井まり)
ゆきりん(浅井幸子)
千葉ちゃん(千葉黎子)
筒井昌臣
田渕先生
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監督・脚本:飯塚健 Ken Iiduka

1979年生まれ。群馬県出身。03年に映画『Summer Nude』で監督デビュー。代表作に『荒川アンダー ザ ブリッジ』シリーズ(ドラマ:11/MBS、映画:12)、『風俗行ったら人生変わったwww』(13)、『大人ドロップ』(14)、「REPLAY&DESTROY」(15/MBS)、『ブルーハーツが聴こえる』(17)、『笑う招き猫』シリーズ(ドラマ:17/MBS、映画:17)など。最新作は18年公開の『榎田貿易堂』。

脚本:根津理香 Rika Nezu

千葉県出身。06年、第18回フジテレビヤングシナリオ大賞受賞。主な代表作は映画『君に届け』(10/熊澤尚人監督※共同脚本)、『聖☆おにいさん』(13/高雄統子監督)、TVドラマ「ライフ~壮絶なイジメと闘う少女の物語~」(07/CX)、「絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~」(07/CX)など。

音楽:海田庄吾 Shogo Kaida

奈良県出身。数々の映画やドラマの音楽を作曲。主な代表作は、飯塚健監督の『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』(11)、『大人ドロップ』(14)、『笑う招き猫』(17)ほか、『百円の恋』(14/武正晴監督)、『ビジランテ』(17/入江悠監督)、『北の桜守』(18/滝田洋二郎監督)、『終わった人』(18/中田秀夫監督)など。

「虹色デイズ」 (集英社マーガレットコミックス刊)

全16巻発売中

原作:水野美波

友達っていいなぁ、恋愛っていいなぁ、高校生っていいなぁ、
そう思える映画になっていると思います。
楽しいことも辛いことも全力で一生懸命な彼らの青春を
一緒に楽しんで頂けたら嬉しいです。

エンディング・テーマ:降谷建志

「ワンダーラスト」

(ビクターエンタテインメント/MOB SQUAD)

挿入曲:「虹」フジファブリック

「バウムクーヘン」フジファブリック
「17歳の唄」阿部真央
「群青」Leola
「your song」SUPER BEAVER

  • Episode1
  • Episode2
  • Episode3
  • Episode4
  • Episode5
 
斬新な少女コミックを青春映画へ
飯塚健監督に託したもの

少女コミックだが、主人公は男子高校生4人組。しかも描かれるのは彼らの何気ない高校生活の毎日。今から6年前、別冊マーガレット(集英社)で「虹色デイズ」の連載が始まり、その第1話を読んだ本作のプロデューサーは、その斬新さと面白さに惚れ、映画化の企画はスタートした。そしてボーイミーツガール的な少女漫画の王道的映画が飽和状態を迎えた今こそ「虹色デイズ」のような作品が青春映画として求められているのではないか――絶好のタイミングでの製作、満を持しての完成となる。原作の連載は2012年2月号から開始。単行本は最終16巻が映画公開に合わせて発売。“男子の本音がわかっちゃう”NO.1青春コミックとして累計335万部突破の超人気原作を実写へ。監督を任されたのは、映画『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』『大人ドロップ』の飯塚健。監督自身はもともと「このジャンルは無縁だと思っていた」そうだが、「REPLAY&DESTROY」など男性目線での群像劇を演出してきた飯塚監督なら、きっと4人の男子を魅力的に描いてくれるはずだと確信と期待をもってのオファーだった。原作を一読した監督は「俗に言う少女漫画のフォーマットではなく、自分に声を掛けて頂いた意味を理解した」と快諾。映画『虹色デイズ』にとってこれ以上ないリーダーを得た瞬間だった。

©2018『虹色デイズ』製作委員会 ©水野美波/集英社
佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星
4人の俳優たちの掛け合いから生まれるリアリティ

4人の男子高校生たちの掛け合い、その空気感が本作のすべてだと言っても過言ではなく、4人を誰が演じるのかが決め手となる。選ばれたのは、佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星、今をときめく魅力的な若手俳優たちだ。撮影は2017年10月20日から約1ヵ月間。限られた時間を最大限に使うため、飯塚監督は撮影の始まる4ヵ月以上前に4人を集め、何度かリハーサルを行った。クランクインまでの期間に彼らの空気感をしっかりと作るためだ。4人の演じるキャラクター全員が主役であり、4人それぞれのストーリーを語りつつ、全体としてはひとつの青春群像劇にしなくてはならい。脚本は、飯塚監督と根津理香の2人体制で臨み、少女漫画の世界ではあるけれどリアリティを目指した。飯塚監督は言う。「映画は大きく分けて2種類あり、1つは追体験を味わう映画、もう1つは知らない世界を見せる映画。いろいろなジャンルはあっても、高校生を扱うのは絶対的に追体験であり、この4人の俳優たちを通して青春時代を追体験してほしい、空気を感じとってほしい」。そのために監督が死守したことがある。それは、高校生の最大のルール=校則をしっかり表現することだ。ルールを守った上での日々を描くことが大切だった。ほかには、彼らの親は登場させないこと、各自の部屋のシーンは作らないことだった。唯一登場するのは、留年しないための勉強会の場となるつよぽんの部屋だ。アニメオタクで成績優秀な彼の部屋は築100年以上の趣のある日本家屋を借りて撮影。漫画やキャラクターグッズで埋め尽くされた、美術部と装飾部の渾身のロケセットに、監督も俳優部も感動。なかでも役柄同様に漫画好きだという高杉真宙は「この部屋に住みたい!」と、お気に入りだった。また、“高校生の日常を描く”というこの作品と同様に、演じている4人の日常を描いてもらうため、撮影中には4人それぞれにスマホを持ってもらい、キャラクター目線でお互いの日常や撮影風景を記録した。

©2018『虹色デイズ』製作委員会 ©水野美波/集英社
高校生の青春映画に必要なもの
プール、縁日、球技大会、文化祭……

冒頭に映し出されるのは、制服のままプールに大の字になって浮かぶ4人のショットだ。この映画は誰もが経験する高校生の日常が描かれるが、プールをはじめ、縁日、文化祭、球技大会、夏休み、クリスマス、試験……高校生は何かと多忙であり、たくさんのイベントのなかで特有の“もやもや”を味わう。その“もやもや”こそが「青春映画のテーマ」だと飯塚監督。どのエピソードを入れるのか悩みながら、文化祭をクライマックスに据え、なんと先に挙げたイベントすべてを日常に取り込んでいる。その分、撮影は大変だった。1ヵ月間という限られた時間のなかに余裕は1日たりともない。特に冒頭のプールのシーンは台風と台風の間、奇跡的に青空をみせた半日で撮影している。進路指導の後にプールサイドに集まる4人が次々とプールにダイブする、躍動感あるシーンだ。当初は浮かぶだけの予定だったが、「どうせ濡れるのであれば飛び込むシーンも撮ろう」。けれど撮影時間は限られているためチャンスは1回。10月下旬のプールに俳優たちはダイブした。とても美しい弧を描いて。もちろん1回でOK。監督の「OK!」が出ると、その場にいた全員が安堵の笑顔を見せた。4人の演技力と身体能力に驚かされたシーンのひとつだ。そのプールのシーンの必要性について、飯塚監督は「【17歳の特権】を映像にすることが青春映画で、ある意味、あのシーンがすべてなんです」と説明する。もうひとつ、タイトなスケジュールのなかの奇跡の撮影としては、縁日のシーンも挙げられる。場所は栃木県の足利織姫神社。主要キャストがほぼ全員揃い、エキストラは100人、本物の屋台も境内に並んでいる。ナイトロケでプールの撮影と同様に撮影可能な時間は数時間。どう撮るのか――飯塚監督はワンカットで撮ると決めた。カメラと俳優たちの動きがぴたりと合わさらないと成立しない難しいシーンであったが、なっちゃんと杏奈、まっつんとまり、つよぽんとゆきりん、そして恵ちゃんの姿を追いかける。何とも活気のあるワンカットがカメラに収められた。その他にも、物語終盤のクライマックスシーンを含めて何度かワンカット撮影が行われているが、それらは映画の中で特に重要なシーンとなっている。

©2018『虹色デイズ』製作委員会 ©水野美波/集英社
俳優は繰り返し演じられてこそ
厳しさの先にある飯塚監督の愛のある演出

「スクリーンの真ん中にあるのは、いつも芝居だと思っています。いい芝居であれば、ずっと見ていられる」と飯塚監督は言い、「監督の演出はすごくしっくりきます」「たくさん学ぶことができました」「本当に楽しかったです」と出演俳優たちは言う。監督と俳優とのキャッチボールがよくできていたから出てくる言葉だ。映画の撮影は当たり前だが、俳優は何度も同じ演技を繰り返す。一回の奇跡ではなく、何テイクも同じ演技を繰り返せることが大切であり、飯塚監督はそれを若手俳優たちにも求めた。印象的だったのは“セリフに囚われすぎないように”という演出だ。たとえば、お昼前の時間設定のシーンであるならば「お腹空いたなぁ」とか、屋上や帰り道にカップ麺を食べているときは食べながら「メール返さなきゃなぁ」とか、台本通りにセリフを言おうとするのではなく、セリフを言いながらも頭のどこかでは別のことを考えている、そういう演技がリアリティにつながる。また、物語が始まった時点から4人はいつも一緒で、どんなきっかけで友だちになったのかは描かれないが、まっつんと恵ちゃんに関しては4人でいる時とは違う「モテる男たち」だからこその2人だけの歴史があるような、4人のなかにもすみ分けがあることが、歩道橋の会話のニュアンスから伝わってくる。相手のスマホを勝手に操作したり、冗談で落とそうとしたりする、その仕草が2人の年輪というわけだ。台本にはないそういった繊細な動きを丁寧に演出する、それが飯塚監督だ。

©2018『虹色デイズ』製作委員会 ©水野美波/集英社
『虹色デイズ』らしい恋愛の描き方
男子だって本気で恋をするということ

恋に奥手のなっちゃんが杏奈を好きになり、その恋がどうなるのかを中心に4人それぞれの恋愛模様がストーリーに組み込まれている。なっちゃんと杏奈の恋は、高校2年から3年へ、恋する気持ちがどういうことなのかを時間をかけて紡いでいく。つよぽんとゆきりんは誰もが羨む仲良しカップルだが、同じ地元の大学へ進むべきか、進路を迷い……カップルなりの悩みがある。まっつんと恵ちゃんは、4人のなかでプレイボーイ的キャラクターだ。いわゆるチャラ男のまっつんは、杏奈の親友まりの存在が気になり、これまでとは違う本気の恋にぶつかる。恵ちゃんはみんなの恋を見守るような立ち位置だが、ドSな性格でありつつも、実は誰よりも繊細で優しく、相手の気持ちが分かる。そんな4人それぞれの恋愛観ももちろんみどころではあるが、『虹色デイズ』らしさはやはり恋愛をしながらも4人が友情で繋がっているところだ。4人の友情と17歳にしか経験できない青春を核に置いているからこそ、誰もが共感する。人を好きになることで自分を発見していく恋愛と成長、それによって生まれるきらめきがバランスよく融合された青春映画に仕上がっている。

©2018『虹色デイズ』製作委員会 ©水野美波/集英社