盤上の向日葵

この出会いが運命を変える。

坂口健太郎×渡辺 謙

2025 10.31 FRI 劇場公開

Official

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COMMENT

  • 坂口健太郎/上条桂介 役

    作品について
    桂介役のお話をいただき、年齢を重ねて、自分の見え方が多少なりとも変わってきたんだなということをあらためて確信した作品です。
    観てくださる方の苦しみや悩みだったり、想い、抱えているものに答えを出す作品というより、自分にしかできない選択を提示するような作品だと思っています。最初に台本を読んだときに感じたすごく密度の濃いものが、現場ではより色濃くなって、血と汗と涙といった熱量をとても感じました。目に見えなくても、何か目に見えそうなぐらいの熱気が充満してる、そんな瞬間に立ち会わせていただきました。

    初共演の渡辺謙さんについて
    現場でもコミュニケーションをたくさんとられ、常に自然体で、とても波長が合う、すごく気持ちの良い方でした。監督が作品の全体を見てくださる一方で、役としての全体の軸のようなものを謙さんが示してくださっていて、様々なものをまとめていくエネルギーをすごく感じました。 相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろんな会話をして試しながら、桂介と東明という二つの役を、二つの関係性を一緒に作り上げていった感覚がありました。

  • 渡辺 謙/東明重慶 役

    作品について
    ハードボイルドで、流血必至の作家、柚月裕子さんの今作「盤上の向日葵」。
    将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生き様に心奪われました。
    将棋でしか生きられない切ない男達、その生き切る姿をご覧下さい。

    初共演の坂口健太郎さんについて
    坂口君は、真っ直ぐです。
    彼の演じる桂介も様々な困難な生い立ちの中、懸命に真っ直ぐに生きていきます。
    でも東明にあってしまい、将棋の奥深さと勝利への執念に目覚めます。
    それは坂口君自身が悩み苦しむのに似ています。
    おそらく、今作で彼の違う一面が見られる事でしょう。

  • 土屋太鳳/奈津子 役

    本作への思い
    「これを失えば生きる意味も失ってしまう」ほど魅了される世界に出会ってしまったら、それは幸せなのでしょうか。
    撮影からずっと、この問いが心に巡ります。掴みたいがゆえに壊れるもの、それを痛感する時間でした。

    坂口健太郎さんについて
    演じていらっしゃる時は、魂が役と一緒に遠くへと漂っていくような、なんともいえない儚さを纏っていらっしゃるのですが、撮影が終わればスタッフさん方とコミュニケーションをたくさんとっていらして、本当に楽しいかたでした。すごく暑い夏だったのですが、その笑顔が向日葵のようにチームを牽引なさっていたと思います。

    渡辺謙さんについて
    渡辺謙さんの作品を、どれほど繰り返し拝見したことか!!!プライベートな気持ちだけれど、その思いを伝えずにはいられませんでした。そんな話題にも笑顔で応えて下さり、私のライフステージが変化した後の状況も気遣って下さって、本当に懐の深い、素晴らしいかたでした。演技をご一緒した時間は、当然、一生の宝物です!

  • 熊澤尚人/監督・脚本

    作品について
    原作を読んだのが2017年。高価な将棋の駒を死体と一緒に何故埋めたのか?その謎を解くミステリーですが、親子の葛藤と人間の業、人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマとして大変面白く、映画化したいと直ぐに映画会社に持ち込みました。脚本を書き始めてから約7年。沢山のハードルがありましたが、粘り強く乗り越え、完成へと至りました。大まかに5つの時代が、宿命と因果で繋がる物語を映画にするのは大変難産でしたが、降りかかる苦しみの中、自らの意志で人生を選択していく男の物語であり、主人公のその心情を一番大切に紡ぎました。多くの人が共感できる作品を作り上げることができたのではないかと思っています。ぜひご期待ください!

    坂口健太郎さんについて
    運命に翻弄され、異端の棋士となる主人公の桂介を、繊細に、そして大胆に演じきってくれました。桂介は幼い頃に父親のせいでプロ棋士になれず、挫折します。それは居場所、自己肯定感を奪われる経験でしたが、強い心で再挑戦し、自分の宿命に立ち向かって行きます。その過程の葛藤や心情を惚れ惚れするぐらい丁寧に表現してくれました。桂介は東明を怨みながらも実は惹かれていくのですが、脚本だけでは上手くいかない要素を見事に演技で成功に導いてくれました。そんな桂介が東明と魂と魂をぶつけ合うシーンは見ものです。男の色気に満ち溢れた、今まで見たことのない坂口さんの新たな代表作が誕生したのではないかと感じています。

    渡辺 謙さんについて
    賭け将棋で生計を立てる真剣師として伝説的な強さだった東明を、渡辺さんが演じてくれたおかげで、脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました。人間として最低、将棋指しとしては一流、無頼派だが、業深く刹那的で破滅的なのに、何故か憎めない人間的な魅力に溢れる男を見事に演じるというより、生み出して頂きました。準備中から、気さくに様々な意見やアイディアを投げかけてくれ、一緒に東明を作り上げて行く過程が、毎日楽しくて仕方なかったです。東明は継承を残す男ですが、私も渡辺さんから映画精神を継承する素敵な経験をさせて頂きました。

  • 柚月裕子/原作

    映画化について 坂口健太郎さん、渡辺謙さんについて
    とっても嬉しかったです。これまでにも映像化していただいた作品はありますが、小説や漫画、映画それぞれ面白さが違うものだと思っているので、映像も演技もとにかく楽しみで、すべてを監督にお任せしました。
    坂口さんの桂介は苦しんで、追い詰められて、辛い、決断を迫られるような厳しい役どころで、ずっと感情を揺さぶられましたし、渡辺謙さんはもういるだけですごみがある。何もしゃべらなくて表情を少し変えただけでも東明を表していて、やっぱり役者さんってすごいなと思いました。

    映画版で脚色された奈津子という役、土屋太鳳さんについて
    きっと映画を観ている方との心が一番近いキャラクターではないかなと思います。桂介を助けたい、桂介に幸せになってもらいたいと思うけど、どうにもできない。奈津子も桂介もお互いを大事に思っているけど一歩踏み出せない。
    言葉は少なくても(坂口演じる)桂介とのやりとりがものすごく切なく、静けさの中に佇んでいるだけで、物悲しさを強く訴えかけてくるものがありました。土屋太鳳さんでなければ醸し出せない雰囲気で、土屋さんだから作り上げられたオリジナルの奈津子だったと思います。

    感想と観客へのメッセージ
    涙がこらえられなくて、一言では言えない。面白い、引きつけられる。そして考えさせられる。色々な感情が胸に込み上げてきて、素晴らしいものを拝見した。すごく大切なものが込められている映画だと思いました。
    映画を観た後に、必ず大切な何かを持ち帰ることができる映画だと思います。
    壮大なひまわり畑と美しい景色と、そこでもがいてあがいて、前に進もうとするキャラクターの魅力。それを大きなスクリーンで、ぜひご覧になっていただきたいと思います。