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6月19日同日公開!『黒牢城』『急に具合が悪くなる』【黒沢清 × 濱口竜介 スペシャル対談】

この度、明日6月19日(金)に同日公開を迎える、黒沢清監督の最新作『黒牢城』と、濱口竜介監督の最新作『急に具合が悪くなる』 。共にカンヌ国際映画祭で万雷の拍手を浴びた両監督のスペシャル対談が実現!互いの作品への熱い感想から、カンヌ映画祭の裏話まで、日本映画界を牽引する両監督の貴重な対談映像が解禁となった。

■「未知の時間が流れている」(黒沢)、「シンプルにめちゃくちゃ面白い」(濱口)
互いの最新作を鑑賞した両監督。黒沢監督は、濱口監督の『急に具合が悪くなる』に対し、「映画の長さがどうだとかいうものと全然違う、未知の時間がそこには流れていて、二人の女性が過ごす時間そのものを観客もまさに経験した。こういう映画体験をするのはほぼ初めてではないかと思うほどでした」(黒沢)と、これまでにない衝撃を受けたと語る。特に驚いた点は、人間が寝転がって足を上げるシーン。「映画の中でほとんど見たことがなかったが、初めて見る感動があった」という黒沢監督に対し、濱口監督はダンサー・砂連尾理氏の振付に触発されたことを明かし、「今まで見たことがないようなものが自然に映画の中に入ってくるし、それは何か生命力みたいなものになるんじゃないか」とその意図を語った。

一方、濱口監督は黒沢監督の『黒牢城』を「本当にシンプルにめちゃくちゃ面白い映画」と大絶賛。時代劇とミステリーの融合でありながら、「一方でどこか、現代社会論みたいなところもある。まだ映画にはこんなことが可能なのだなという気持ちにさせていただいた」と圧倒された様子を見せた。特に濱口監督が魅了されたのは、本木雅弘演じる主人公・荒木村重のキャラクターだという。「希代の軍師・黒田官兵衛でも全く読み切れない村重の弱さ。家とか国とかを超えた、個人に対する考えを持った人間として描かれている」と、歴史上の人物に込められた現代性を深く読み解いた。

■カンヌでの「万雷の拍手」と、映画祭という“恐ろしい場所”
共にカンヌ国際映画祭コンペティション部門で万雷の拍手を浴びた両作品だが、華やかな賞賛の裏には特有の重圧があった。『黒牢城』の公式上映に客席で立ち会った濱口監督が「感無量でした」と語る一方、黒沢監督は当時の極度に緊張していたことを明かし、「(濱口監督が客席にいたことを)気づいてました。ただ怖くて、目線合わせるのが(笑)。ああいう場で、自分の映画をやるっていうのは初めての経験なので、緊張もしました」(黒沢)濱口監督も、上映中の恐怖はひとしおだったという。「上映中は非常に怖いものでして、非常に緊張して見ていたので、最終的にみんながどうも楽しんでくれたらしいという表情で拍手や歓声を上げてくれたということは本当によかったです」(濱口)

黒沢監督は、世界最高峰の舞台であるカンヌでの拍手が持つ“本当の価値”について、「コンペティションとなると中には『俺は認めないぞ』とか、そういう人も混じるんですよ。その後カフェで『今見てきた映画がどんなにつまんなかったか』を楽しそうに話し合っている。恐ろしい場所ですよ(笑)。だから、そこでのコンペティションでの拍手は全然別物です」(黒沢)

■互いの才能への畏敬「問答無用の説得力」と「映画とも言えぬ別な何か」
対談の終盤、互いに「これはマネできない」と思う部分に話が及ぶと、日本を代表する両監督から深いリスペクトの言葉がこぼれた。濱口監督は、恩師でもある黒沢監督の作品が持つ圧倒的な力について、「得も言われぬ『これが映画なのだ』という感覚。問答無用の説得力みたいなものは、やはり真似できるものではない」と熱弁。「どれだけ届こうと思っても届かない」と、その到達点への尊敬の念を口にした。

対する黒沢監督も、濱口監督の演出の「質と量」について、冒頭から主人公の置かれた複雑な状況を持続させて見せつける手腕に対し、「あれ、僕にはできないんですよ。僕にはできない資質ですね」と称賛。さらには、濱口監督の現在地について、「僕は普通に普通の映画で頑張るけれど、(濱口監督は)映画とも言えぬ、別な何かに向かっているんだろうなと思う。ものすごいところに行ってるんだなということだけがわかる」(黒沢)と表現した。

最後に、両監督からそれぞれの作品における魅力について、「主役の本木雅弘さんから脇役まで、本当にいい味を出している。あの時代に生きた人々がどんな風であったかを、隅々までいろいろな俳優たちが表現しています」と、スクリーンに映る人間の魅力を語る黒沢監督。その言葉に、濱口監督も「黒沢さんの映画に出てくる俳優は、なぜこんなにいいんだろうと今回もあらゆる人に対して思いました」と返答。そして濱口監督は、カンヌ映画祭にて、主演のヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が最優秀女優賞に輝いた自身の作品について、「どのキャラクターも、それぞれの人生を背負ってそこにいるように見えてほしいと思って演出しました。3時間16分という上映時間は、意外と人生そのものに比べたらずいぶん短い時間であると思っていただけるのではないかと思っています」と語った。

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