『“それ”がいる森』の舞台となった福島県の天源森は、実在する場所がモデルになっている。それが福島県福島市飯野町にある千貫森だ。千貫森は、飯野町地区の北方にそびえる標高462.5メートルの円すい型をした山で、以前から「カラスが集まる」「方位磁石が狂う」「不思議な音を聞いた」などの超常現象や、地元住民が発光する未確認飛行物体を見たとの情報が多数ある。国際未確認飛行物体(UFO)研究所・所長の三上氏によると、マニアの間では有名な“スポット”だという。「1970年代頃から、飯野町はUFOの里と呼ばれています。町の住人の半分くらいは、怪しい飛行物体を目撃しているんじゃないでしょうか」
その名に“森”と付いているが、東北地方では山を森と呼ぶことも多い。三上氏によると千貫森は独特の形状をしているという。「千貫森はピラミッド型をしていて、富士山のように遠くからでも綺麗に見えます。こういう山は霊山や神奈備(かんなび・神が宿る場所)、『ムー』では日本ピラミッドと呼んでいますが、パワースポットが多いんです」と三上氏。千貫森の山頂部にも祠があるという。「今でも信仰は残っているようです。山岳信仰がある場所には、UFOが飛来するともいわれます。異星人の乗り物かどうかは別にして、自動車サイズの火の玉のような発光体など飯野町での目撃情報の多くが千貫森なのです」
1968年生まれ、青森県出身。筑波大学卒業後、91年に学習研究社入社。入社1年目から「ムー」編集部に配属。以来、ムー世界にどっぷり浸かり、2005年に5代目編集長に就任する。21年には国際未確認飛行物体研究所所長就任。テレビ、ラジオ等各種メディアでUFO、UMA、超能力、魔術、スピリチュアルなどの不思議世界をわかりやすく紹介している。
千貫森では、UFOだけでなく未確認生物と思われる目撃情報も確認されている。「UFOの窓から人影が見えた」「異星人の姿と声を聞いた」等の情報が寄せられている。異星人に誘拐された人の報告書を読むと、身に覚えがない傷が突然できたと証言している人がたくさんいるという。「傷どころか、レントゲンやCTスキャンをしたときに、体内にあるはずのない異物が見つかった人もいます。つまり異星人にインプラントされた可能性があるのです」。そして、「気がついたら1時間が経っていたなど、時間の喪失や記憶の欠落を経験したことがある方は、その間UFOに乗せられていた可能性もあります」と三上氏は言う。
この映画のエンドロールで流れる写真や映像は、自分たちで撮影した素材と、福島市の国際未確認飛行物体研究所から提供いただいた素材で構成しています。元々、映画の脚本自体も千貫森で実際に目撃されたUFOや宇宙人との遭遇体験をベースに膨らませていったので、もちろん物語はフィクションではありますが、“ほんとにいるよ”という証明として、実際の素材を載せることでよりリアルに感じていただけるのではと思い、企画段階から中田監督とも話していました。ただ、素材集めが課題で…自分たちで撮影する結論に至りました。
いざ、撮影に挑むも、最初はUFOらしい発光体が現れてもなかなかカメラで撮れず…今度こそと、赤外線カメラや夜景用の機材を揃え、日本でUFOコンタクトを何度も成功させているグレゴリー・サリバン氏や、超常現象に詳しい秋山眞人氏に同行してもらい、撮影しました。カメラが“それ”を捉えられたのは、2022年5月。カメラを回して1時間半後、向かいの山の上で強く光る発光体が現れ、北極星のような星かと思っていると、その発光体が急に消えました。「星じゃなかった…UFOだ!」複数のカメラで収められたその映像を拡大すると、高速で回転している発光体が映っていました。やはりこの千貫森にはUFOがいる、とスタッフ一同が確信した瞬間でした。
エンドロールの後半で流れているのは、私たちにとって“未知”である「宇宙語」の入った曲。知人で作詞家の森由里子さんに、この映画の世界観にふさわしい宇宙語の歌詞を書いていただきました。曲は、CM音楽で活動されているjoe daisqueさんに制作依頼。民族音楽っぽくしたいと伝えたところ、まるでお経のような、とてつもなく奇妙な曲を制作してくださいました(笑)
米国防総省もその存在を認め、いまやオカルトの域を超えた存在となったUFO。本作では侵略者として描きましたが、実際にUFOや宇宙人に遭遇した体験談では、彼らがやって来た目的は未だ推測の域を越えません。果たして、彼らの存在は脅威として恐れるべきものなのか、否か-。そして、千貫森だけでなく日本中、世界中で遭遇されているその存在。あなたの身の回りの怪奇現象も、“心霊”ではなく“それ“の仕業かもしれません-。