1998年1月11日生まれ。オーストラリア・シドニー出身。11歳から演技を習い始め、子供向けTV番組への出演が女優としてキャリアをスタートする大きなきっかけとなる。2013年に出演したオーストラリアのTVシリーズ“Wonderland”(原題)で注目を集め、映画女優への道を切りひらいた。ジェフリー・ラッシュ主演の“The Daughter”(15・原題)での演技によりELLE誌で“オーストラリアで最も明るい新星”と称され、オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞最優秀女優賞に輝いた。2020年に出演した“Shirley”(原題)で主演のエリザベス・モスに引けを取らない圧巻の演技を見せ、メディアから絶賛された。その他の主な出演作に、2018年のサンダンス映画祭でプレミア上映され話題を呼んだ主演作『アサシネーション・ネーション』、ジョニー・デップ主演『グッバイ、リチャード!』(18)などがある。今後、コリン・ファースとトニ・コレットが共演するHBO MaxのリミテッドシリーズのTVドラマ、“The Staircase”(原題)への出演も決まっている。
ストーリー
1924年、初夏のように暖かな3月の日曜日。その日は、イギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される〈母の日〉。けれどニヴン家で働く孤児院育ちのジェーンに帰る家はなかった。そんな彼女のもとへ、秘密の関係を続ける近隣のシェリンガム家の跡継ぎであるポールから、「11時に正面玄関へ」という誘いが舞い込む。幼馴染のエマとの結婚を控えるポールは、前祝いの昼食会への遅刻を決め込み、邸の寝室でジェーンと愛し合う。やがてポールは昼食会へと向かい、ジェーンは一人、広大な無人の邸を一糸まとわぬ姿で探索する。だが、ニヴン家に戻ったジェーンを、思わぬ知らせが待っていた。今、小説家になったジェーンは振り返る。彼女の人生を永遠に変えた1日のことを──。
映画にしか描けない三月のその一日、そこからの人生の深い味わいが身に沁みます。
谷川俊太郎(詩人)
太陽の光も風に靡く木々も妖しく感じる。
禁じられた愛だからこそ記憶に残る。
孤独、悲しみ、欲望と
セクシーとエロスが入り乱れる美しい1本。
LiLiCo(映画コメンテーター)
息遣いや柔らかさ、動き、火照りを、見ているこちらが、まるで肌で感じるように描いていて、 それだけでもご覧になる値打ちがあろうというものです。(Numero TOKYO 6月号より抜粋)
松尾貴史(タレント)
身分違いでも他に相手がいても、心も体も裸になれるのが運命の相手だという真理に気付かされました
辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
この身ひとつ これから手に入れてゆくだけ 失うものは何もない
生まれた時に奪われていた。こんなに強い言葉を聞いたことがない。
失うものに囲まれた自分が、疎ましい。
YOU(タレント)
身一つしか持たない少女が、人生という冒険の海原へ出られるかの分岐点。若き日を演じるオデッサ・ヤングがまばゆい。その老年期をグレンダ・ジャクソンが演じるなんて、それだけで映画ファンにはギフトだ。
山内マリコ(作家)
原作を大胆に組みかえているのに、原作の緊張感と切なさがしっかり伝わってくる。原作のある映画はこう作れといわんばかりの映画。
金原瑞人(翻訳家)
複雑に絡み合ういくつもの要素が解けないパズルのように頭に残り、見終わった後しばらく考えた末にようやく全体像が見えてきたのはぼくだけでしょうか。時間がかかった分、納得も深かったです。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
未開の才能に愛の遺志が介入したとき、それは宿命となる。
私たちは皆、誰かを育む種蒔き人なのかもしれない。
一度きりの生に、特別な意味を与える映画だ。
SYO(物書き)
裸の恋、言葉の力、喪失と再生。
第一次世界大戦後のイギリス人の生の軌跡を観る者に追体験させる不思議なリアリティが、この映画にはある。
麻生えりか(青山学院大学教授)
そこかしこに美しくちりばめられる‟解き放たれる”イメージを抱きしめたくなりました。
五月女ケイ子(イラストレーター)