楢山節考

"何度でも見たい映画です。あの不穏でなんとも言えない美しく陰影な色使いはオールセットならではの映像美です。そしてなんといっても三味線のBGMの最高たるや。登場人物の心の葛藤を見事に三味線の音色で表現しており、見ている者の心をたきつけます。捨てる側の息子と捨てられる側の母親間の断ち切れない情・葛藤、村組織の慣習の根深さなど切なくもあり、愛情ある作品です。
母親が手を合わせ座って死を待つ姿は本当に仏様のようでした。"

70歳になると山に捨てられるという棄老伝説も驚きだし、ほぼ全編に渡り壮大なセットで撮影されていて圧巻です。幕が下りたり、舞台装置を左右に引いて場面転換する部分など、演劇的な演出が今見ると逆に新しさを感じて面白い。照明もネオン系のカラーを使ってる場面があり、当時の色使いとして斬新に感じました！