この度、12月22日(木)に公開前夜祭舞台挨拶を開催いたしました!
クリスマスも近いということで、それぞれクリスマスを意識した衣装で當真あみさん・芦田愛菜さん・宮﨑あおいさん・原恵一監督が登壇し、映画公開を迎える喜びなど、思いの丈を語りました。また、スペシャルゲストとして原作者の辻村深月さんが登壇し完成した本編を観た感想とともにキャストへも熱いメッセージを贈りました。
主人公・こころの声を演じた當真あみさんは、今回初のアニメ声優、初の舞台挨拶など初めてづくしだった中、全国公開を目前にして、改めてオーディションからプロモーションまで振り返り「初めてづくしの中、みなさんに作品をお届けできることがいちばん嬉しいとわかりました。この作品を見てみなさんがどういう気持ちになるのかワクワクしています、私と同じ思いになってくれて、それを共有できることを楽しみにしています」と自身の中での変化と思いを語りました。
もともと原作の大ファンで、こころたちを城へ招く狼のお面をかぶった謎の女の子・オオカミさまを演じた芦田愛菜さんは、その作品に声優として参加することになった思いを「この映画のお話がくる前に、辻村先生と対談させていただく機会がありました。そのときに『オオカミさまをやってほしい』とおっしゃっていただいたので、(今回のオファーは)最初は信じられなかったですが嬉しかったです。イメージを壊さないように、いつもより気合いが入りました」と熱く語りました。
こころを優しく見守るフリースクールの先生・喜多嶋先生の声を演じた宮﨑あおいさんは、前回、本作のプレミアイベントに登壇したときを振り返りながら「前のイベントで當真さんが初めての舞台あいさつとおっしゃっていて、そこに立ち会えたのがうれしかったです。初めては1回しかないから。これから変化していくのを見ていきたいなと、(演じた)喜多嶋先生と同じ気持ちで當真さんを見ています」と、當真さんに温かいまなざしを向けていました。
また先日、本作は第52回ロッテルダム国際映画祭に正式出品されることが決定、国境を越えて多くの人へ作品が届けられることについて、原恵一監督は「出来上がったものには自信がある。それを頼りに明日からの公開を見守りたいと思う。実写映画よりアニメーションは作品に関わる期間が長い(今回は5年間)ので思い入れは強いです」と今の心境を語りました。
さらに、原作の辻村深月先生が登場!観客にとってはサプライズだったため、大きな拍手で迎えられました。
一足先に完成した映画を見た感想を「感無量です。私が描いたこころたちがそこにいて、私が描いた感情がそこにありました」と熱く語り、キャスト一人ひとりにも温かい感謝の言葉をかけられました。芦田さんは先ほどの対談のエピソードとオオカミさまのような赤いドレスについて触れられ「辻村先生は神様なので、(今、辻村さんが隣りにいることに)内心気が気じゃないです(笑)」と珍しく少し緊張しながら率直な気持ちを伝え、「10代のころからお芝居を見ているので、そのころの強さを持ったまま大人側の役を演じてくださったことに感謝しています」と伝えられた宮﨑さんは「辻村先生はこの作品のお母さんなんだと実感しました。そう言っていただけてうれしいですし、参加してよかったです」と目頭を熱くしました。
また、「當真さんの等身大のお時間をこころにいただけて、本当にありがとうございました」と辻村さんからの言葉には、當真さんの目がうるむ場面も。そこから辻村さんもかけつけた當真さんのアフレコのオールアップ時のエピソードで盛り上がり、その際にも「素敵な涙を流していた」と監督がばらし、當真さんは「初めての声優経験で、他のキャストの皆さんは経験豊かですし、原作ファンもたくさんいらして。楽しかった半面、不安もありました。頑張らなきゃという気持ちが、無事終えたときに肩の荷がおりて、いろんな感情が溢れたのだと思います。辻村先生に『こころがお世話になりました』と言われて嬉しかったです」と当時を振り返りました。
辻村先生からもお墨付きをいただいた本作は、口コミの中に「何度も観たくなる映画」「自分も頑張ろうって思える映画」「全人類楽しめる映画」とさまざまなコメントがたくさんあり、そこでこの映画を「◯◯◯な映画」と、登壇者に一言で表現してもらいました。
當真さんは「迷ったとき、悩んだときに背中を推してくれる映画です。こころたちが成長していく姿に背中を押されました」。芦田さんは「味方になってくれるような映画です。こころたちが頑張る姿に勇気がもらえます。つらさにもがいているときも、今のままでいいと受け止めてくれる温かさのある作品です」。宮﨑さんは「世界を変えてくれる映画です。学生のときは学校がすべてと、友達とうまくいかなくて何もできなくなる時期があるけれど、大人になるとそんなことはない。違う世界に足を踏み入れたらちっぽけな悩みだったと思えます。これは大人にも当てはまると思います。今いる場所が苦しくてもそこがすべてではない。視点を変えてくれる映画です」。原監督は「とても強い、とても優しい映画です。見終わったあと、この言葉を思い出してもらえると思います」。辻村先生は「あなたのための映画です。小説を書くとき、自分のために書かれた本だと思ってもらえたら幸せだなといつも思っています。この映画も自分のための映画だと、自分の居場所になるような映画になってくれたら」と、それぞれ思いのこもった理由を語りました。
最後に、これから映画をご覧になるお客さんへ、原監督から「人間は誰でも歳をとるけれど、心はそうじゃない。中学生の青春物語を60歳過ぎて監督してうまくいくかと思いましたが、手ごたえを感じています」、當真さんから「映画の公開を楽しみにしてくれている皆さま、この映画に関わってくれた全ての方に感謝します。この作品が背中を押してくれる、何かのきっかけになってくれたらと思います。感想をお友達や家族に伝えて広めてくれたら嬉しいです」とメッセージが贈られ、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。
さらに氷でつくられた「鏡の孤城」が登場し、その劇中から飛び出してきたような精巧さと神秘的な美しさに、登壇者一同驚きの表情に。當真さんは「光り輝いていてまさに鏡の孤城です!」と氷の城と同じぐらい目を輝かせ、幻想的な雰囲気とあたたかな会場の一体感の中、イベントは締めくくられました。