上映後の舞台挨拶ということで、映画の余韻が冷めやらぬ中、会場の温かな拍手に包まれながら、主演の當真あみさん、共演の北村匠海さん、原恵一監督が登壇。公開から2週間ほど経ち、鑑賞したたくさんの方からの感想コメントの一部がスクリーンに映し出されると、原監督は「好意的な声が聞けて嬉しいし、ほっとしています。まだ続くので、もっと広まっていってほしい」と感謝を述べ、主演の當真あみさんは「父・母が公開初日に観て『面白かった』とメッセージをくれました。友達からも長文の感想がきて胸がいっぱいになりました」と感無量の表情に。
「リオンの泣き顔にやられた」というコメントに対して演じた北村匠海さんは「役柄と歳が離れていたけれど、(監督に)そのままでいいと言っていただき、伸び伸びとやらせていただきました。完成した作品を観たときは二度目の感動を覚えました。様々な声を聞き、映画のあり方が面白いと改めて思って、この職業ができて素敵だなと感慨深い気持ちになりました」と反響の大きさをかみしめていました。
また、こころの担任・伊田先生役の藤森慎吾さんも駆けつけ、一見爽やかで人気があるけれどどこか空気が読めていないようなところがある先生を演じるにあたって「『どっちつかずな軽薄な先生なので役作りせずにそのままやってください』と言われ、少し傷ついて帰ったことを覚えています(笑)。(演技については)もちろんすんなり出来ました」と語り、一瞬にして会場を笑いの渦に。
次に、イベントの翌日である9日は、昨年の4月に成人年齢が18歳に引き下げられてから初の「成人の日」を迎えることにちなみ、「理想の大人像」を絵馬のフリップボードに書いて発表、トークが繰り広げられました。
2年後に成人となる當真さんは、「こんな大人になりたい」という理想の大人像を「何事にもポジティブになれる人」と発表、「私の母がそういう人で、暗い部分を見たことがないんです。普段から明るくできる人になりたい」と語り、藤森さんから「素敵な答えですよね、チャラチャラはしちゃダメですよ」と自身のキャラになぞらえてツッコみさらに笑いを誘いました。北村さんは当時の自分を振り返り、「自由な大人」と発表、「15歳ぐらいから早く大人になりたいと思っていました。学生の世界は窮屈だなと思っていたけど、大人になってみると不思議と学生って自由だなと思ってしまいます。そうなると自由・不自由ってないんだなと。縛られてると思うから縛られる。やりたいことやって楽しく生きているので、今、自由な大人なのかも」と語り、當真さんの「大人になるといろんなことができる自由さがあるのでいいなと思いました」の真面目な回答に、すかさず「チャラチャラしちゃダメですよ笑」と北村さんからもツッコミが。
藤森さんは、「大学生になって状況して周りの女の子たちが社会人の男性と付き合っているのを見て思ったんです。」と前置きしたうえで「東京にマンションを持っている大人」と発表し、場内はまたもや爆笑。「まだ無理なんですが、今にどーんと大豪邸を建ててやろうと思います」とまだまだ理想の大人像を追い続けていることを明かした。原監督は「あきらめない人」と発表、「専門学校を出て、アニメーションの仕事がしたくてでも就職できなくて。でも、あきらめずにいたらこの世界に入れました。あきらめないだけで映画が作れていると思っています。悩みや壁にぶつかっても簡単にあきらめないでほしい」と自身の経験を踏まえて新成人にエールを贈りました。
同じく人生の先輩として北村さんも「成人ってなんなんだって思ってる方もたくさんいると思う。子供と大人の境界線なんて誰が決めたんだろうって。でも大人になってみると、気持ちは高校生のときと変わらない。ただ、たくさんの出会いがあったり、楽しみもたくさんあったりする。どうかそのまま成人を迎えて楽しんでほしい。何かになろうと、変わろうとせず、ありのままでいてください」と新成人へ呼びかけました。藤森さんも「22歳のときに、就職活動しながら吉本興業の養成所に通っていました。人生いろいろな選択肢が現れるけれど、意外とどの道を選んでも楽しいです。ひとりでも多くのすてきな方と出会うことに注力してみてほしい」と熱いメッセージを贈りました。
最後に當真さんから「公開初日より劇場で配布していた入場者プレゼントが好評で、なんと第2弾、第3弾の配布が決定いたしました! “ここでしか見られない風景”が描かれた素敵なポストカードになっています」(入場者プレゼント詳細はこちら)とスペシャルな告知とともに「まだ観ていない方も、今日来てくださった方も、何度も観ていただけたらうれしいです」と熱くアピール。大ヒットを祝してくす玉を割って大きな拍手と熱気の中、イベントは幕をとじました。