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第52回ロッテルダム国際映画祭 原 恵一監督登壇レポート

この度、第52回ロッテルダム国際映画祭(現地時間2023年1月25日~2月5日開催)のLimelight部門に、邦画アニメで史上初の正式出品となり、原恵一監督が現地入り。現地時間2月1日に上映されました。

原監督は上映会前に観客へ「お越しいただきありがとうございます。この映画が皆さんの心に優しい感動をもたらすことを願っています。さて、準備はいいですか!?鏡の向こうに待っているファンタスティックな旅へ共にくり出しましょう!」と英語で挨拶。上映後、観客からは大きな拍手と歓声が贈られ、観客とのQ&Aが行われました。

Q:この作品は原監督のオリジナル作品か、それとも別の原作を基に描かれましたか?
A:この作品は、日本で有名な辻村深月さんという方が書かれた、累計発行部数170万部を超える小説が原作ですので、僕のオリジナルではありません。小説や本作で取り上げている、‟何らかの事情を抱えて学校に行けない子供たち”は、オランダでもいると思うんですけど、日本では現在23万人程いると言われており問題になっています。原作の読者や本作の鑑賞者に共感を得られたのは、この問題をテーマに扱ったからだと思います。

Q:映画では細かい部分で、原作からアレンジしているシーンもありましたが、どのような点を意識して映画を作っていきましたか?
A:原作は分厚い本で、それを2時間以内にまとめなければいけなかったので、映画にするには沢山の苦労がありました。原作では、孤城に集まる7人それぞれのバックストーリーが丁寧に描かれているのですが、映画で同じように描いてしまうと2時間に収まりきらないため、‟安西こころ”という女の子を中心とした物語として、しかし原作のストーリーを損なわないよう構成しました。

Q:「こころ」という名前は、日本語で「心 "heart"」という意味ですよね。
A:とても重要なポイントですね。そうなんです。ヒロインの名前は「こころ」で、日本語「心 "heart"」という意味なんです。

Q:マサムネの声優は有名な某名探偵の声優と同じで、劇中で某名探偵の決め台詞が使われていて驚きました。
A:オランダでまさかこのような質問が来るとは思ってなかったのですが(笑)某名探偵は日本ではとても有名なアニメーションですが、その「真実はいつも一つ!」という決め台詞をパロディで言ってもらおうと思い、遊びました。ちなみに僕が長年監督を務めた「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんの声を演じていた矢島晶子さんがある役で出演してますが、わかりましたか?(観客わかりました!)ありがとう、素晴らしいです。

Q:この映画を通して伝えたいメッセージは?
A:日本でもオランダでも学校に行けない子はたくさんいると思うけど、そういう子は親も友達も誰も助けてくれないと思ってすごく孤独の中にいるかもしれないけど、それはずっと続くことではなく、きっと誰かが味方をしてくれるから信じて欲しいということが、この映画の伝えたいメッセージです。
I believe you are not alone.(あなたはひとりじゃない)

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