この度、長崎・五島列島に自生する椿を核に地域活性を目指す「五島の椿プロジェクト」の特別企画として、五島市で本作の上映会を開催、同プロジェクトのサポーターを務める吉永小百合さんによる舞台挨拶が開催されました。2011年に初めて五島を訪れて以来、五島ファンを公言する吉永さん。19年に公開された映画『最高の人生の見つけ方』の撮影の際にはロケ地が長崎市に決まると、五島列島での撮影を製作陣に提案したというエピソードも。その後、五島の椿プロジェクトにも賛同し同プロジェクトのサポーターを務めることになりました。そして今回、2004年に福江中央シネマが閉館して以来19年間、映画館がない五島市民の方々にスクリーンで最新の映画を楽しんでもらいたいという吉永さんの想いから、9/1(金)に封切られたばかりの主演最新作を上映する運びとなりました。
会場には朝早くから多くの島民が駆け付け、長蛇の列が作られていました。 いらっしゃっていたお客さんからは「本当に楽しみで楽しみでしょうがなかった」「吉永小百合さんを一目見たくて駆けつけました」といった声も聞こえ、老若男女を問わず多くの島民の方が今日の上映会を心待ちにしていた様子が垣間見えます。上映会は2回に分かれ、2,000人を超える観客が上映会に参加しました。
上映前に舞台挨拶が始まるとまず、五島市長である野口市太郎さんが登壇し「みなさん、吉永さんさんにお会いするのは楽しみにされていることと思います。私も自分が持っている中で1番良いネクタイをしてきました」とユーモアを交えながら挨拶。その後、五島の椿プロジェクトを牽引する一般財団法人松下財団の代表理事である松下剛さんが登壇。「僕が五島列島で生まれ育っていなかったら、このプロジェクトは生まれていなかったと思います。やるからには日本だけではなく世界へも発信していきたい」と五島の椿プロジェクトへの想いを語りました。
五島の方々と約1年ぶりの再会となった吉永さんは「前作に続いてまたこうやって五島の皆様に、上映会という形でお会いできて本当に嬉しいです」と今回の再訪への喜びを語った。その後、質問は映画の内容に。MCから吉永さんが演じた福江のキャラクターについて聞かれた吉永さんは「今の時代を前向きに生きるお母さんです。今回ミシンで足袋を縫うシーンがあるのですが、そのシーンは一生懸命練習したので、ぜひぜひそのシーンはみなさんにしっかり見てほしいと思います」と自身の役どころについて触れながら、注目ポイントを紹介しました。
また今回の現場での山田監督の演出については「山田組は号外というものが出るんです。撮影当日にセリフが変わったりして、シーンが膨らんでいくんですが、今回もそういった場面があって、こうしたらもっと良くなると現場で考え続ける監督の姿勢は、初めて映画に出させていただいた時から変わりません」と山田監督と長い時間、ともに映画を作り続けてきた吉永さんだからこそ語れる山田監督の一面を語りました。
さらに、親子役を演じた大泉洋とのエピソードを聞かれると「撮影に入る前に大泉さんが小さい頃のお写真を見せていただいて、撮影に臨みました。その写真がかわいらしくて、本当の子供のように感じていました」と撮影を振り返りました。また大泉が聞き上手だったため少し困ったことがあった様子。「プライベートなこととか思わずしゃべってしまったんですけど、こんなことまでしゃべって大丈夫かな?と思ってました」と明かし、本当の親子のような吉永さんと大泉の仲の良さが垣間見えるエピソードを語りました。
そして、ここで会場にいらっしゃったお客様に向けて本作のメガホンを取られた山田洋次監督と吉永さん演じる福江の息子・昭夫を演じた大泉洋からビデオメッセージが。「五島はとても懐かしい場所で、いまから47、8年ほど前ですかね、寅さんの撮影で行きました」と山田監督が撮影当時の想い出を振り返ると、一方の大泉は「この映画には本当に吉永さんの魅力が詰まっています。もちろん僕の魅力も詰まっているわけですけど」と茶目っ気たっぷりにコメントし、会場が笑いで包まれました。さらに、五島の名物である五島うどんにも触れ「小百合さん、五島うどんをたくさん食べてきてください!」と最後まで大泉節を交えながら、会場にいる吉永さんにエールを送りました。
その後、実際に吉永さんが愛用しているという五島の椿の化粧品をはじめとする豪華景品が当たる抽選会の催しを行うなど、観客との交流を深めた吉永さん。締めの挨拶では「みなさんの胸の中にそれぞれお母さんがいらっしゃると思います。映画を観てご家族のこと、お母さんのことを感じてください」と映画について語り、最後は「私も映画の仕事を頑張って、次の映画でもまた、この場所に戻ってきたいと思います」と今後の俳優としての意欲とともに五島への再訪を約束し、舞台挨拶は大盛況のうちに終了しました。