この度、いよいよ公開を間近に控えた本作の公開直前イベントを大阪にて実施いたしました。
主演の倍賞千恵子、木村拓哉、本作のメガホンをとった山田洋次監督ら豪華キャストとスタッフが集結し、大阪ステーションシネマにて舞台挨拶と大阪の観光名所・通天閣をバックにしたタクシーセレモニーを開催。
舞台挨拶では、11月13日が誕生日となる木村にサプライズでお祝いを実施!
本作にかける想いや撮影現場でのエピソードなどを語り、大盛り上がりのイベントとなりました。

大阪ステーションシティシネマで行われた舞台挨拶では、公開を間近に控える本作を一足先に鑑賞した観客を前に倍賞千恵子、木村拓哉、山田洋次監督が登壇。
いよいよ公開が来週 21 日(金)に迫った今の気持ちについて、本作の主演で終活に向かうマダム・高野すみれ役の倍賞は「こんなにたくさんの方に映画を観ていただいて、出てくるのがとても恥ずかしいような気がして、舞台袖でモタモタしておりました(笑)。今日はたくさんの方々にお越しいただき大変嬉しく思っております。」と少し緊張した様子を見せつつも喜びの思いを伝えた。
すみれを乗せる事となるタクシー運転手・宇佐美浩二役を務めた木村は「今日は500名以上の方にお集まりいただいたと先ほどスタッフから伺ったのですが、たくさんの方に観ていただけたこと、本当にありがたく思います。」と満席の会場へ感謝の気持ちを込め挨拶。
続いて山田監督は「この映画は今年の早春にクランクインしまして、終わったころにはものすごい暑い夏になって、夏が過ぎてようやく封切りを迎えられます。映画が成功してくれるといいなと心から願っております。今日は本当にどうもありがとう。」と公開まで約1週間を切った本作への熱い思いを明かした。
また、大阪での思い出やお気に入りの場所を質問されると倍賞は「今日たこ焼きをいただいたのですが、とても美味しかったです。私は昭和 36 年に『斑女』という映画でデビューしたのですが、大阪から家出してきたきゃぴきゃぴの女の子を演じたんです。ポスター撮影の時に大阪城で撮影したのですが、私にとって大阪城は映画界に入るきっかけになった場所のイメージが強いです。今回(大阪城に)伺えたらいいなと思うのですが、行ける時間があるかどうか...。そんな思い出がある場所なんです。この『TOKYO タクシー』で178本目の映画となりました。」と明かし、会場から驚きの声と称賛の拍手が起こると、木村は「山田監督の撮影数だったり、倍賞さんの出演本数はホームランの数じゃないですからね?(笑)素晴らしいなと思いました。」と驚きを交えつつ称えた。
自身の大阪の思い出について木村は、「幼少期に葛飾柴又にいた事実もあるんですが、僕は箕面にもいた事があるので、皆さんの交わす大阪弁を耳にしていてもスムーズに入ってくるんです」と明かし、「大阪城ホールはグループにいた時も個人としてもお邪魔して皆さんと騒がせてもらったんですが、大阪は非常に盛り上がってくれます(笑)」とコメントし、会場から拍手が起こると「その代わり、MCに関してはもの凄く厳しいです(笑)」と会場の笑いを誘った。そして、「大阪の皆さんは本編と同じようにあたたかさもあり、厳しさもあって人間味豊かな印象をいつも持たせてもらっています」と大阪についての印象を明かした。
続けて豊中市出身の山田監督は「僕、大阪出身なんです。一応ね(笑)。なんで一応かと言うと僕は満州の小学校に入った時に、先生に『雪(↓)が降ってきた」と言ったら『違うよ雪(↑)だよ』と言われたんですが、母親に『あなたは大阪出身だから関西のイントネーションが身についているのよ。』と言われたんです。なので僕は今日大威張りで大阪出身ですと申し上げております(笑)」と語り、自身の幼少期の思い出を語った。

そして舞台挨拶が終盤に差し掛かった頃、翌日11月13日に誕生日を迎える木村へサプライズでお祝い!登場した特大のバースデーケーキは、劇中で木村演じる宇佐美浩二が運転するタクシーを完全再現したデザインとなっており、倍賞は「このタクシーに私たち乗ってたのね」と山田監督も交え3人でケーキを囲むと、木村も「スイートな感じですね(笑)」と照れながら笑顔でコメント。さらに倍賞からのサプライズでバースデーソング生歌唱というサプライズプレゼントも。歌う前に倍賞が突如“HAPPY BIRTH DAY”と書かれたカチューシャを頭に着けると、それを見た木村が嬉しそうに大爆笑。倍賞のチャーミングさに会場も「かわいいー!」と歓声が湧いた。そして、倍賞の美声が会場に響き渡る中、観客と最後のフレーズを歌い上げ、木村の誕生日を一足早く祝福。サプライズ歌唱とケーキのプレゼントに感極まった木村は倍賞と熱いハグを交わした。その場にいる全員が幸せに満ちた表情で、観客からも大きなあたたかい拍手が贈られた。

最後に山田監督から「もうすぐ封切りなんですが、キャスト含めこの映画に関わった大勢のスタッフみんな、胸がドキドキしているんですよね。この映画がたくさんの人に観てもらえるよう、よかったよと、面白かったよと思ってもらえることを心から願っております。どうぞみなさんよろしくお願いいたします。」とメッセージが贈られ舞台挨拶は終了した。


その後、会場を通天閣へ移し、タクシーセレモニーが開催された。大阪の観光名所である通天閣の麓から木村が劇中で使用したタクシーの助手席に倍賞を乗せ、沿道を埋め尽くした大勢のファンからの熱い大歓声を浴びながら、ステージまで走行。まるで劇中のシーンが再現されたかのような登場に、会場のボルテージは最高潮に!本作のイメージカラーであるピンクカーペットに到着すると、木村が倍賞をエスコートしながらステージへ。続けて山田監督も登壇し、会場は盛大な歓声と拍手に包まれた。

先日、東京タワーで行われたタクシーセレモニーも大きな話題となったが、大阪・通天閣でのドライブについて倍賞は「感動しています。この映画に出演させていただいたおかげで今日のイベントに出席できて、今ドキドキしています。」と明かし、木村の運転について「本当に運転が上手なんです。(始まる前に)ドキドキしていると話したら『大丈夫です。任せてください」と言ってくれました。」と登場前の微笑ましいやりとりを明かした。
幕が開くまでどんな景色が広がっているのか一切分からなかったという木村は、「こんなに沢山の方がいらっしゃるなんてとてもありがたいです。本日11月12日が僕の誕生日前日という事もありまして、たくさんのバースデーメッセージを登壇前に皆さんからいただけたのが凄く嬉しかったです」と観客への感謝とあたたかいメッセージについて喜びを語った。
さらに、『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』でも寅さんの旅の舞台となり、『おとうと』でもロケをした通天閣に久々に訪れた事について山田監督は「今夜は一際通天閣がかっこよく、綺麗に見えますね。この映画のタイトルは『TOKYO タクシー』だけれど、今日は『OSAKA タクシー』にしなきゃいけないんじゃないかなと思っております。」と笑顔でコメント。
これから本編を観る方について、どのように受け止めていただきたいか聞かれた倍賞は「この映画を観ていただいた方がどんな風に受け止めていただけるのかはそれぞれ違うと思います。ただ、本当に素晴らしいスタッフの皆さんたちに恵まれて一生懸命作りました。皆さんがこの映画を観て、何か心に思う事があったり、もう一回観ようかなと思ったらまた誰かを誘ってこの映画を観に来ていただきたいです。」と作品への想いを語った。

木村は「僕が演じた浩二は劇中でひとつだけ大きな間違いを犯すんですが、それは“今を生きているからこそ起こり得る間違い”だと思っています。観客の皆さんには、浩二の間違いをただ否定するのではなく、苦悩の末に出した答えとして受け止め、この作品が示すように、間違いとして終わらせず本作のタクシーのように、皆さんが前に進み続けるための力になることを願っています。」と熱いメッセージを送った。
続いて山田監督は、「この映画に登場する2人は決して特別な人ではないんですが、最後に不思議な奇跡が起こる映画です。浩二のようなタクシーの運転手のように、毎日を懸命に生きている人たちが幸せになってほしいという想いを精一杯込めました。」と本作に込めた思いを明かした。
最後に倍賞は「映画『TOKYO タクシー』を思い出しながら、気を付けてお帰りになってください。」、木村は「『TOKYO タクシー』ぜひ受け取ってほしいと思います。よろしくお願いします。今日は集まってくれた皆さんも本当にありがとうございました。」、山田監督は「皆さんに感謝するのみです。この映画をぜひ映画館で観てください。よろしくお願いします。今日は本当に冷たい風が吹いている中、こんなにも大勢の皆さん来てくださってありがとうございました。」と集まった観客への感謝と本作の公開を心待ちにする方へメッセージが贈られ、タクシーセレモニーは幕を閉じた。