FILMS作品一覧

キネマの天地

1986年8月
スタッフ
脚本:山田洋次/井上ひさし/山田太一/朝間義隆 監督:山田洋次 撮影:高羽哲夫 照明:青木好文 美術:出川三男 音楽:山本直純
キャスト
中井貴一、有森也実、渥美清、すまけい、松坂慶子、倍賞千恵子、美保純

松竹大船撮影所50周年記念作品。舞台は松竹が撮影所を大船に移転する直前の1934年頃の松竹蒲田撮影所。城戸四郎所長以下、若き日の斎藤寅次郎、島津保次郎、小津安二郎、清水宏ら気鋭の監督たちが腕を競い、田中絹代がスターへの階段を上りかけた黄金期である。この時代の映画人たちをモデルにして書かれた脚本には井上ひさし、山田太一も参加した。

山田監督「演出のことば」

サイレントからトーキーに移行する時代、即ち日本映画の青春期に、活動写真に憧れ、眼を輝かせて蒲田撮影所に入ってきた若者たち、さして広くもない敷地に騒々しく犇めいていた青春群像――彼等が何を悩み、何を苦しみ、そしてどのように燃えていたかをドラマチックに描こう、というのがこの作品の核心です。蒲田から大船に撮影所が移転して五十年を迎える松竹だけではなく、今日の日本映画界にとっても意義のある仕事にしたい、と考えます。