PROFILEプロフィール

1931年生まれ、大阪府出身。54年、東京大学法学部卒。
同年、助監督として松竹入社。
61年『二階の他人』で監督デビュー。

69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『故郷』(72)、『同胞』(75)をはじめ、第1回日本アカデミー賞最優秀監督賞等6部門受賞の『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『息子』(91)、『学校』(93)などの名作がある。2002年、藤沢周平原作の本格時代劇『たそがれ清兵衛』では、第26回日本アカデミー賞15部門をはじめ日本の映画賞を総なめにし、第76回米国アカデミー賞外国語映画部門ノミネートを果たした。
続く、『隠し剣 鬼の爪』(04)は、第55回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品、第7回ジンバブエ国際映画祭最優秀作品賞を受賞した。2006年『武士の一分』の大ヒットに続き、『母べえ』(08)も大ヒットを記録、第58回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され話題になった。2010年には10年ぶりの現代劇となる『おとうと』が公開、第60回ベルリン国際映画祭のクロージング作品として上映、特別功労賞にあたるベルリナーレ・カメラを受賞。同時に2007年より客員教授を務める立命館大学映像学部の学生たちと作り上げた『京都太秦物語』も上映され、大きな話題を集めた。2013年には小津安二郎監督へオマージュを捧げる映画『東京家族』が、2014年には『小さいおうち』が公開され、第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品、銀熊賞を受賞した。戦後70年の2015年には『母と暮せば』が、2016年には喜劇映画『家族はつらいよ』、2017年には『家族はつらいよ2』、2018年には『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』が公開された。また第1作から50周年を迎えた2019年には『男はつらいよ お帰り 寅さん』が、2021年は『キネマの神様』が公開された。2023年9月には吉永小百合&大泉洋が親子役初共演した『こんにちは、母さん』が公開された。

演劇では、2007年に歌舞伎『人情噺文七元結』を補綴し新橋演舞場で上演、監督作品としてシネマ歌舞伎でも上映された。劇団新派において、2010年に『麥秋』、2012年に『東京物語』の脚本を書き下ろし、演出も手がける。2013年には、鄭義信の脚本による『さらば八月の大地』の演出を手がけ、新橋演舞場にて上演された。2017年には、フランスの劇作家マルセル・パニョルの戯曲を原作とする、『音楽劇マリウス』の脚本・演出を手がけ、日生劇場にて上演。劇団前進座とは、2017年の『裏長屋騒動記』、2021年の『一万石の恋』の監修・脚本を担った。また2016年に公開された映画『家族はつらいよ』を、演劇のための脚本として再構成し、2018年に劇団新派が新派誕生130年の節目を飾る作品として上演した。2019年には、さらに松竹新喜劇において『大阪の家族はつらいよ』として、舞台を大阪に移した新喜劇版の脚本・演出を手がけた。2023年10月には、歌舞伎座で脚本・演出を手がけた『文七元結物語』が上演された。2024年1月には、脚本・演出を手がけた初春新派公演『東京物語』が東京三越劇場にて再演される。

1970年に芸術選奨文部大臣賞・毎日芸術賞、72年に菊池寛賞、96年に紫綬褒章・朝日賞、2002年に勲四等旭日小綬章、04年に文化功労者、08年より日本藝術院会員、12年に文化勲章を受章、14年に東京都名誉都民顕彰。