FILMS作品一覧

©1970 松竹株式会社

家族

民子三部作
1970年10月
スタッフ
原作:山田洋次 脚本:山田洋次/宮崎晃 監督:山田洋次 撮影:高羽哲夫 照明:内田喜夫 美術:佐藤公信 音楽:佐藤勝
キャスト
倍賞千恵子、井川比佐志、笠智衆、前田吟、木下剛志、塚本信夫

炭鉱で細々と暮らす風見精一・民子夫婦は、会社が閉山したことから北海道の開拓村に入殖することを決断した。老いた父と幼ない二人の子供を連れ、住みなれた島への愛惜と、前途への不安をおしての辛い旅立ちだった。長崎から博多、福山、万国博で賑わう大阪、東京、東北の寒村を経て北海道の開拓村まで日本列島3000キロの長旅。わずか数日の間に、想像も及ばぬ困難や悲しい事故に直面し、驚きと言いしれぬ焦燥感にせきたれられる家族が描かれる。ドキュメンタリーの手法も交えて撮影されている。

山田監督「演出のことば」

日本列島は南北に細長い。春は南の島から始まり、冬は北海道からやって来る。一九七〇年の四月、桜の咲く長崎の島を後にして、北海道の東端・根釧原野に向って旅立った五人の家族を、彼等と共に旅をしながら眺めたい。彼等の喜びと悲しみを共に体験しながら、日本の国を日本人を考えて見たい。