松本清張の同名小説を橋本忍が脚色し山田洋次が監督した。貧しさゆえに、殺人事件の容疑者として逮捕された兄の弁護を断られた妹が起こす復讐劇を描く。倍賞千恵子が能面のように無表情で、復讐に燃える主人公を熱演。1977年には山口百恵主演で再映画化された。
ミステリーやホラーなど、映画でなければ表現できない緊張感やスリルというものがある。映画を観ながら、おかしくておかしくてお腹が痛くなってしまったというのも映画の喜び、泣けて泣けてスクリーンが涙でぼやけてしまう、それも映画。映画を観ながら汗が出て、緊張感でドキドキしてしまった、というのも映画です。そんなふうにドキドキするようなサスペンス映画を撮りたいという気持ちは、僕の中にずっとあります。サスペンスは演出技術がもっとも必要とされるジャンルじゃないかな。