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男はつらいよ 寅次郎と殿様(第19作)

男はつらいよ
1977年8月
スタッフ
原作:山田洋次 脚本:山田洋次/朝間義隆  監督:山田洋次 撮影:高羽哲夫 照明:青木好文 美術:出川三男  音楽:山本直純
キャスト
渥美清、嵐寛寿郎、真野響子、三木のり平、倍賞千恵子、前田吟、三﨑千恵子、下條正巳

サイレント映画時代から昭和二十年代にかけて時代劇のヒーロー“鞍馬天狗”を演じ続けた剣劇スター・嵐寛寿郎をゲストに迎え、渥美清と珍妙かつ絶妙なやりとりを繰り広げる。寅さんが大洲の旅館で出会う、美しきマドンナ鞠子に真野響子。殿様の侍従を演じた三木のり平のおかしさは、まさしくベテラン喜劇人ならではの味。夫に先立たれ、その想い出を胸に、懸命に働きながら、幸せを求めるヒロイン。殿様をめぐるエピソードの微笑ましさの中に、父と息子の嫁の、血が繋がらないがゆえの心の交流の美しさが繰り広げられていく。

山田監督「演出のことば」

寅さんと殿様が友達になるという浮世ばなれのした物語です。もともと「男はつらいよ」は浮き世ばなれのした映画をと考えています。浮世は余りにつらく重く、苦しいことばかりです。我々はせめて映画館の中で、浮世をはなれた夢を見たいと願うのではないでしょうか。