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男はつらいよ 寅次郎真実一路(第34作)

男はつらいよ
1984年12月
スタッフ
原作:山田洋次 脚本:山田洋次/朝間義隆 監督:山田洋次 撮影:高羽哲夫 照明:青木好文 美術:出川三男 音楽:山本直純
キャスト
渥美清、倍賞千恵子、大原麗子、米倉斉加年、前田吟、下條正巳、三﨑千恵子

第22作『噂の寅次郎』に次いで、二度目の登場となる大原麗子。今回は、仕事一筋で心身ともに疲れ果ててしまう証券マンの美しい妻。その夫・富永にはシリーズでおなじみの米倉斉加年。やっとの思いでマイホームを建てたものの、仕事に嫌気が差して失踪してしまう中年男を好演している。寅さんは、ふじ子への思慕を抱きつつ、富永を必死に探す。美しいふじ子に、不埒な気持ちを持つまいとする寅さんは懸命に。富永の父に新国劇のベテラン、辰巳柳太郎、桜井センリのお人好しのタクシー運転手に、かつての銀幕の名花・風見章子、津島恵子など、キャスティングの妙も楽しい。

山田監督「演出のことば」

夫が蒸発してしまった妻に恋する寅。たとえ夫の行方は知らずとも、人妻は人妻、恋することが許される筈がない。己れの心の罪深さに、寅はもだえ苦しむのである。これは寅さん「罪と罰」の物語りである。