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男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日(第40作)

男はつらいよ
1988年12月
スタッフ
原作:山田洋次 原作:俵万智 脚本:山田洋次/朝間義隆 監督:山田洋次 撮影:高羽哲夫 照明:青木好文 美術:出川三男 音楽:山本直純
キャスト
渥美清、倍賞千恵子、三田佳子、三田寛子、前田吟、下條正巳、三﨑千恵子

俵万智のベストセラー短歌集「サラダ記念日」を原作にした、短歌文学の香り豊かな作品。三田寛子扮する由紀が短歌に凝っているという設定で、随所に俵万智の句が引用される。寅さんが夢中になる女医に三田佳子。ドラマで医者の役が多かった三田のイメージをうまく使いつつ、いのちの現場で死と向き合うヒロインと、出会った人を幸福な気持ちにさせる寅さんの心の交流を描いている。由紀のボーイフレンドの大学生に尾美としのり。本作より、屋号が「くるま菓子舗」と改められた。

山田監督「演出のことば」

短歌集「サラダ記念日」の中で作者の恋人らしき男性が描かれる。彼の恋愛は軽やかで魅力にあふれていながらも、時として一歩踏み込むべきところをサラリと回避してしまう。その態度が、若い娘である作者を苛立たせたり、悲しませたり、その表現が多くの読者の共感を呼んだ。寅さんのその恋も実はそのように決め手を欠き、しばしばマドンナ達を悲しませてきたような気がする・・・。