山内久と山田洋次が共同でシナリオを執筆した時代喜劇。撮影は高羽哲夫が担当している。
落語はつねに反道徳的な人間が主人公です。すぐに隣人とけんかしたり、親をぶんなぐったり、侍の悪口をいったりする。しかし、それを「反封建制」の表現であるといってしまいますと、一面的になります。自分たちがつくりだしたモラルを大変不自由なものとして憎む、ということが含まれているわけです。その気持ちを笑いで吹き飛ばしながらある健康な生活を維持しようという民衆の気持ちが生み出した芸術が落語なのではないかと私も考えます。