著名人のおすすめコメント
- 樋口尚文映画評論家・映画監督大島渚監督の遺作『御法度』は思い出深すぎる作品である。私は十七歳の時に監督した自主映画が、カンヌで監督賞を獲ったばかりの大島監督の目にとまって激賞され、後には評論家として『大島渚のすべて』(キネマ旬報社)という本を上梓、亡くなる前にはその柔らかくあたたかな手を握ってお別れした。いつしか三十余年のご縁となっていた。大島監督が『御法度』製作発表の後で病いに倒れ、きついリハビリを経て遂にクランクインされた頃、三十代も後半となった私は大島監督のご指名で自主映画のコンペティションの審査員を何年もご一緒していた。その審査中にランチをしながら私は「大島さん、ぜひ『御法度』を撮ってください」とけしかけながら、このご体調ではまだ無理かなと半分諦めていた。ところが大島監督は不死鳥のごとく、新星・松田龍平を発掘してこのとんでもなく刺激的で殺気に満ちた新選組映画を撮った!たまさか私は松竹の若き同志からこの映画のテレビスポット制作を頼まれて、とんでもないゲリラ的な返歌として監督に捧げ、けっこうネットで若者の評判も沸いた。初日、満員御礼の有楽町マリオンの劇場で、私は車椅子の大島監督からぐいぐいとハグされた。私の記憶のなかで、巨匠オーシマ最後の最も輝ける瞬間だった。
一般の方のおすすめコメント
- Commentこの映画を見て初めて衆道というものを知って、衝撃を受けました。意外な人も出ていたり、何回も見てしまうくらい面白かったです。シーフォ/30代