松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
樋口尚文
Profile
樋口尚文
映画評論家・映画監督
1962年生まれ。映画評論家、映画監督。主な著書に『大島渚のすべて』『「砂の器」と「日本沈没」70年代日本の超大作映画』『秋吉久美子 調書』ほか。監督作品に『インターミッション』(’13)、『葬式の名人』(’19)。
  • 御法度

    公開年:1999年/上映時間:100分/監督:大島渚

    Comment
    大島渚監督の遺作『御法度』は思い出深すぎる作品である。私は十七歳の時に監督した自主映画が、カンヌで監督賞を獲ったばかりの大島監督の目にとまって激賞され、後には評論家として『大島渚のすべて』(キネマ旬報社)という本を上梓、亡くなる前にはその柔らかくあたたかな手を握ってお別れした。いつしか三十余年のご縁となっていた。大島監督が『御法度』製作発表の後で病いに倒れ、きついリハビリを経て遂にクランクインされた頃、三十代も後半となった私は大島監督のご指名で自主映画のコンペティションの審査員を何年もご一緒していた。その審査中にランチをしながら私は「大島さん、ぜひ『御法度』を撮ってください」とけしかけながら、このご体調ではまだ無理かなと半分諦めていた。ところが大島監督は不死鳥のごとく、新星・松田龍平を発掘してこのとんでもなく刺激的で殺気に満ちた新選組映画を撮った!たまさか私は松竹の若き同志からこの映画のテレビスポット制作を頼まれて、とんでもないゲリラ的な返歌として監督に捧げ、けっこうネットで若者の評判も沸いた。初日、満員御礼の有楽町マリオンの劇場で、私は車椅子の大島監督からぐいぐいとハグされた。私の記憶のなかで、巨匠オーシマ最後の最も輝ける瞬間だった。