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熱狂的なファンたちの様々な質問を前に伊藤健太郎・上川周作・小野塚勇人はたじたじ!?【ティーチインイベントレポート】

この度、通称「おなかペコペコ隊」を演じた伊藤健太郎、上川周作、小野塚勇人のティーチイン舞台挨拶を1月18日(木)に実施!

イベントでは、集まった観客からの質問にその場で答え、今だから語れる撮影中のエピソードなど、「映画あの花」ファンと作品の魅力を分かち合いました。

32億を超える大ヒットを記録している本作。伊藤、上川、小野塚が舞台挨拶に登壇、駆けつけたファンに温かく迎えられイベントがスタートした。

伊藤は「数字がすべてではないのかもしれませんが、32億突破という大ヒットになったことは本当に嬉しいです。何度も何度も映画館に足を運んでくださった皆さんのおかげです。今日は感謝を伝えられる会にできたら」と感慨を語り、上川は「11月に完成披露をし、12月公開した映画が1月になってもこうして上映が続いていて本当に嬉しいです。数ある映画の中からこうして駆けつけていただいて…今日は楽しい時間にできるよう頑張ります」とはにかみながら挨拶。

小野塚も「撮影している中でも、これはいけるんじゃないかという手ごたえをみんなで感じていたんですが、まさかここまで皆さんの手に届くとは思っていなかったので、すごく幸せなことだなと感じています」と喜びを噛みしめた。

改めて周りからの反響について「自分のところにも観たよという声がたくさん届いていて、中でも印象的だったのが学校の先生が生徒さんたちに『この映画を観なさい』と薦めてくれているようで。学校の中でもそんな風に扱ってもらえていて、僕らの想いのひとつである若い世代にたくさん届いてほしいというところが、実際に伝わっているんだなとすごく嬉しかったです」(伊藤)

「こんなに長く上映が続いて嬉しいですね。今年定年を迎えた僕のおじさんが、何か趣味を見つけたいということで僕の映画を何度も見に行ってくれていまして。2回目以降は始まった瞬間から泣いてるそうです」(上川)

「僕の80歳を過ぎている祖父母が観に行ってくれて、戦争の時代に生きていた人たちがこの映画を観て感動して泣いてくれたのは嬉しいこと。中学生の姪っ子も、映画を通して、こういう時代があったことを中学生なりにいろいろと考えてくれたみたいです」(小野塚)とそれぞれコメント。

幅広い世代から支持され、リピーターも続出している本作だが、この日の会場にもなんと「31回目」という観客が来場しており、キャスト陣も「すごい…」と絶句。

「きっとお三方より観てますよね…?」とMCに突っ込まれると、「うーんどうですかねえ?」(伊藤)「僕らも負けないっすよ」(小野塚)としどろもどろになる場面も。

ティーチイン舞台挨拶ということで、ファンからの質問を募集。多くの手が挙がったのを見た小野塚が「終電までなら…?」と冗談を飛ばしつつ、ティーチインがスタート。

「まだ10回しか観ていないんですが…」と前置きした女性からの質問は「石丸さんと千代ちゃんのシーンがとても好き。千代ちゃんが最後に人形を渡すシーンで、受け取る石丸さんが人形の頭と足をそっと持って千代ちゃんの手に触れないようにしているように見えて、そこが石丸さんらしくて大好きなのですが、どのようにできあがったシーンでしたか?」というもの。

石丸を演じた伊藤は「あれは、『石丸ならこうするだろうと考えてやった』と言いたいんですが…あんまり何も考えてなかったです…(笑)」と細かいところまでよく見ている鋭い質問にタジタジ。

「狙っていたわけではないんですが、あの時は石丸として生きていて、石丸としてやったことがすべて。あの時の石丸はそういう受け取り方をしたんだな、と思っていただけると嬉しいです」と自然な流れで生まれたシーンだと振り返った。

撮影時、メイキングスタッフも現場で号泣しながら見ていたとのことで、本来であれば劇伴をつけて盛り上げてもよいところを、伊藤と千代を演じた出口の演技を引き立たせるため、無音で仕上げたシーンだということも、MCから明かされた。

続いて、「隊から逃げようとする板倉さんとの橋の場面に感動しました。加藤さんがあの時代の正論を言って、板倉さんが反発、寺岡さんがその言葉はないだろうと殴るシーンで、寺岡さんも加藤さんも強い言葉を言いつつ板倉さんが離脱することを最終的に許した。そのときの気持ちは?また、石丸さんはセリフがなくて5秒くらい顔が映っていましたが、あのとき何を考えていましたか?」というぺこぺこ隊の名シーンのひとつに関する質問。

上川は「逃がしてしまったという気持ちと、生き延びる板倉のその先に自分の希望を託したみたいな、複雑な想いが混じり合っていました。現場でぺこぺこ隊のみんなと鶴屋食堂で過ごしていて、撮影期間も短いんですが、実際劇中でも彼らが出会って一緒に過ごして飛び立つまでの時間は短いものでした。ぎゅっと心が通じ合った仲間だという気持ちが、現場で芝居を重ねる中で大きくなって、板倉に対する希望みたいなものは、大切に演じました」と、役と自身の時間・気持ちがリンクしていたことを明かし、

小野塚は「加藤はあの時代を象徴するキャラクター。ほかのキャラクターは(現代的な価値観の)百合にも擁護的な部分があるんですが、自分は真逆の存在でなければいけないし、自分が優しくなると戦争というテーマが薄れてしまうと思っていました。板倉とのシーンも、加藤としては(板倉が去ることを)納得していないです。ただ、板倉に言われた言葉は、加藤も本当は怖い、行きたくないという気持ちがある中で『帝国軍人としてのプライド』と無理やり鼓舞していた部分があって、ある意味本音を突かれた言葉だった。だからこそ余計に認められない、認めてしまっては出征できない、という振り切るような気持ちでした」と、加藤の複雑な心情を振り返った。

セリフがなかった伊藤は「石丸は、あそこでしゃべらないのが正解。石丸は加藤と逆で、板倉の気持ちも理解できる人物。どちらも分かるからこそ複雑な想いではあって、ここで自分が出ていっても余計に判断を鈍らせてしまうかもと、しゃべらずに見守って、それぞれが決める道の背中を押せる存在でいようと思っていました。ただ、朝4時の撮影でワンカットのみ、セリフがないからマイクもつけない状況で『俺いる?いるんですね』って言いながら参加してました」と冗談も交えて振り返った。

「まだ3回目で」と恐縮する女性からは「百合の丘のシーンがとても好きで、実際に画面からいい匂いが香ってきて落ち着くシーンではないのですが、ひとときの幸せが味わえて好きなのですが、3人が包まれて幸せな安心できる香りを是非教えてください」という質問に、3人は「香りの話!?」(伊藤)「難しい」(小野塚)「香り・・・」(上川)と一瞬戸惑うも、上川は優しい声で「だしとか…キッチンから香る」と即答。

「あああ、だしいいですね!」とすかさず伊藤は共感。小野塚は「ヒノキの香りとか。サウナ行くので、ああとなりますよね」と回答、そして伊藤は「シャンプーの香り。すれ違った時の誰かのシャンプーがふわっとした時とかにお?っていう…」と話すと、「あれ、急に浅くなりましたね」と小野塚から鋭いツッコミに合い、すかさず「金木犀の匂いも好きですね」と笑いながら訂正していた。

そして3人の好きなシーンについての話になり、小野塚は「野球のシーンですかね」、上川は「色々あるんですけど、かき氷が出てきたときに今ちょうど欲してたと、物語に感情移入しすぎたから、このシーンですごく喉を潤しました」と珍回答。

するとその答えに対し会場がざわつきはじめ、すかさず「目で潤しました」と言い換えていた。しかし小野塚から「素晴らしいですね。観るだけで潤うんだ」と冷静にツッコまれ、上川は照れ笑いを浮かべていた。

伊藤は「橋のシーンですね。誰よりも近くで一番見ていられたので、やっぱり現場で見ているのと映像で観るのとでは本当に違う。いちファンとしての意見になりますけど、こういう表情してたんだという発見も相まって。たぶんこの見方は僕にしかできないと思いますけど」と振り返ると、

小野塚から「カメラ後ろで表情って見えてました?」と聞かれ、「見えていない。お付き合いでカメラの後ろにはいたんですけど、みんなの背中をずっと見ていて、正面のシーンどうなっているんだろうと。改めて映像で観てこんなに泣いてたんだっていう発見もありましたし、そういう発見も含めてすごく好きなシーンです」と回答した。

伊藤さんの大ファンで会いに来たという女性からは「もう1回この映画を撮るなら、次はどの役をやりたいですか?千代ちゃんとか女性キャストでも大丈夫です」という質問に対し、

小野塚は「やっぱり恋愛したいですよね、石丸か彰か。彰、いいんだよな。千代ちゃんの人形も貰いたいしな、千代ちゃんもいいしな、ツルさんもいいな、寺岡さんもずるいしな」と終始悩んでいたかと思ったら質問者に対し「どれがいいですか?逆にティーチイン」と逆質問。伊藤から「聞かれているのよ」とツッコまれ、最終的には「やっぱり石丸ですかね」と回答していた。

伊藤は「ツルさんですね。まだまだ僕ではツルさんのような包容力や安心感は出せませんが、みんなのお家というか帰ってくる場所を作ってくれている素敵な役ではあるし、やってみたいなと思います」と話すと、「健太郎くんが作ってくれた豚汁おいしかったよ、食べに行きたい」と小野塚から言われ、「(店を)やろっかな。鶴屋食堂って名前借りて、豚汁屋さん。各現場ケータリングで」とまんざらでもない様子だった。

伊藤が豚汁をふるまった日は全員のクランクアップの日だったそうで、「寒かったですからね。お弁当が冷たくなっても、あったかいものが1つでもあると違いますからね」と伊藤が話すと、上川が「心も温まりました」とささやき、「なんでどんどん声が小さくなるんですか!」と2人からツッコまれていた。

最後に上川が「僕は百合ちゃんやらせて頂けたらと思います」と答えると、「あら!意外!」(伊藤)「かき氷食べたいんだ!」(小野塚)とツッコミに合いながらも、続けて上川は「やっぱり心の叫びがすごくジンジンときましたし、本当に百合ちゃんの願いが恋愛の部分もそうですけど、戦争のことを知っていてあの時代に行っている彼女の思いっていうのを僕自身も背負っていたいなと思いました。なので百合ちゃんを演じさせていただけたらな」と真剣に語ると、小野塚から「1回セーラー服を着た上川さんを想像してしました。すいませんでした」と謝罪される一幕もあり、笑いに包まれていた。

最後に会場に来られた熱狂的なファンに向けて、小野塚は「32億という大ヒット、非常に嬉しいことだと思います。まだまだ上映は続くということで、皆さん一人一人が広告塔だという気持ちで、もしよろしかったら周りの方に宣伝してください。この良い作品を一人でも多くの方に届けられるように僕もまだまだ映画「あの花」はいい映画だよと伝えたいですし、皆さんも一人でも多くの方に伝えていただけたらなと思います」と語り、

上川も「本当に記憶に残る作品になっていると思っております。こうして皆さんに駆けつけて頂けたことが本当に嬉しいですし、まだまだ上映は続きますので映画館で観てほしいです。またこうやって少しでも多くの方の記憶に残る作品になっていくことを願っております」とコメント。

そして最後に伊藤は「この映画のテーマの1つに戦争があると思うんですが、今年は年始からすごく大変な思いをされた地域の方々も沢山いらっしゃって、命について改めて考えさせられる年になっているのではないかなと思っています。そんな時期にこの映画が送り出せたということが意義のあることだと思っていますし、本当に沢山の方に観ていただいて、あったかいお風呂に入って、美味しいごはんを食べて、眠れるということがどれほど幸せなことなのかを今一度皆さんにも再認識していただけたら、この映画がいまこの世にある意味になるんじゃないかなと思います。できるだけ多くの方に広めていただけたら嬉しいです」とイベントを締めくくった。

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