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8/5(木)『キネマの神様』公開記念舞台挨拶レポート

公開を翌日に迎えた8月5日(木)に菅田将暉、野田洋次郎、北川景子、宮本信子の豪華キャスト陣と山田監督が登壇し、<公開記念舞台挨拶>が実施されました!

キャストやスタッフ、監督たちが想いを一つにし駆け抜けてきたこれまでの日々を振り返りながら、公開を明日に迎えた胸の内をそれぞれに語り、さらに今回、ダブル主演として出演予定だった故・志村けんさんの代役を務めた沢田研二から、本作が公開を迎えることへの想いを綴ったコメントも発表され、様々な困難に見舞われながらも、その分奇跡を重ねてきた本作の公開を告げるにふさわしい映画への愛と情熱にあふれる舞台挨拶となりました。

キャスト、製作陣と同じ思いで公開の日が来ることを信じ待ち続けた観客の前に立った山田監督は「去年3月にクランクインしたんですけど、何度も中断して、苦労しながら出来上がったという感じです。そしてようやくこうして封切の日を、コロナのことが解決しないままに迎えて、とても感慨無量です」と挨拶し、舞台挨拶はスタート。

主人公ゴウの若き日を演じた菅田も「50%ですけど、お客さんがいる状態での舞台挨拶は本当に貴重な時間なので感慨深いです」と、この時間をかみしめるように客席に向けて語りかけました。

若き日のテラシンを演じた野田は「映画を観た皆さんの前でお話できることが嬉しい」と挨拶し、山田組に参加したことへの感謝の気持ちを込めて、のちの主題歌である「うたかた歌」を作った経緯を尋ねられると「志村さんが倒れられたと聞いて、コロナで撮影もストップして、あんな素敵な撮影の思い出や経験がなかったことになっちゃうのかなという恐怖心で自粛期間を過ごしていて、だったら音楽にするしかないなって。僕なりの貢献がしたかったというのが入口なんです。」と、楽曲ができあがるまでのエピソードを披露し、そんな野田の想いに共鳴するかのように、共に「うたかた歌」を歌うこととなった菅田は「感謝の気持ちを込めたお手紙ですって曲をいただいて、本当に感動しましたし、山田組や世の中全体みんなが動けない中でなんとか動き出そうという気持ちにさせてくださって。」と楽曲を受け取ったときの気持ちを振り返り、この作品への感謝が込められた楽曲が菅田の心を前へと動かしたことを明かしました。

「うたかた歌」を聴いて撮影中に感じたノスタルジックな感情が蘇ったという北川は銀幕女優役として『東京物語』を再現したシーンに挑んだことについて「冷や汗です(笑)世界中にファンがいる映画の有名なシーンのオマージュを演じるということで、原節子さんを超えることは絶対できないんですけど、なるべくお芝居を近づけてやりたいなと。あとは真似するだけではなくキャスティングしていただいたんだから、自分らしさも残せたらなと思ったんですけど、パニックになりながら終わりました」と明かし、山田監督と共に役作りに励んだ日々を振り返りました。

楽曲から淑子への大きな愛を感じたという現代の淑子を演じた宮本は「ゴウちゃんはどうしようもない男なんですけど、淑子にとってはそういう人でも生涯愛する人に巡りあったという幸せがあったと思います。」と淑子が歩んだ人生への想いを語りました。

本作ではもう一曲印象的な楽曲として、志村けんの「東村山音頭」を沢田研二演じる現代のゴウが歌うシーンが。
志村けんの代役としてこれまで多くを語らずにいた沢田からは公開にあたって想いを綴ったコメントが届けられ、大勢が見守る中で発表されました。

【『志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。』 あの日から新型コロナと共に歩んだ72歳精一杯の姿です。詮ないですが、志村さんのゴウが観たかった。わたしはこの作品を封切り館で“初めて”観ようと思っています。】

と語った沢田の言葉に、山田監督は「初めてコメントを聞きましたが、やはりこの仕事を引き受けるのは沢田さんは相当な覚悟だったんだろうなと、改めて感じます。」と沢田とともに撮影に挑んだ撮影時を振り返り、菅田も「一度現場に行かせていただいて、ちょうど「東村山音頭」を歌うシーンの直前だったのかな、ものすごく集中されていて、沢田さんのこの作品へ臨む思いがあふれ出ていたので、完成を楽しみにしていました。同じ人物を演じられたというのはすごく光栄です。」と語り、亡き志村さんへの想い、そして沢田と志村さんを繋ぐ絆、そして本作へ結びついた奇跡へ想いを綴りました。

語りつくせない想いが交わされながらもイベントは終盤を迎え、最後に山田監督は「この『キネマの神様』は僕の青春時代の思い出が中心になっているんですが、1930~40年代は世界中がびっくりしていたんですね、日本の映画がすごいと。今、日本の映画は沈んでいるのは問題だと思っています。劇場が閉鎖されたり、人が入れなくなっている。僕たちにとっても大問題で、一日でも早くこの状況が回復するように願っております。そういう必死な想いでの興行なんですよね。映画館に足を運ぶことを躊躇する人も多いですが、ぜひ映画館に足を運んでこの映画を観ていただきたい、味わっていただきたいと日本の映画ファンにお願いしたい」と語りました。

菅田は「映画は公開するとお客さんのものという感覚があるのですが、公開するまでどれだけ映画に携われるかというのが楽しみだったりするのですが、そういう意味では今までで最長の長さ一緒にいれたなと思うし、十分に愛でる時間をいただけたと解釈すれば、すごく感謝だなと思いました。色んな事を知っていく中で今の自分の仕事である映画というものが、どれだけかっこよくて、自分のしんどかったり大変だったりする日々に誇りを持てるようになりました。そんな映画です。ぜひ楽しんでいただけますと幸いです。」と、公開を待つファンと映画を愛するすべての人へのメッセージを送り、鳴りやまない拍手の中で、数々の困難を数々の奇跡に変えて完成された本作の公開に向けて舞台挨拶は幕を閉じました。

【沢田研二さんコメント】
『志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。』
あの日から新型コロナと共に歩んだ72歳精一杯の姿です。
詮ないですが、志村さんのゴウが観たかった。
わたしはこの作品を封切り館で“初めて”観ようと思っています。
沢田研二

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