公開に向けて山あり谷ありですが、どの映画も諦めず険しい道のりを歩んでいます。
今回はなかなか表に出ることのない、映画プロデューサーや営業スタッフの仕事内容や想いを『#映画公開までの道のり』と題し紹介していきたいと思います!
【第四回配信】劇場営業スタッフ 古寺綾香
◆営業担当はどのような仕事ですか?仕事をする上で、心がけていることはありますか?
通称、セールス、『キネマの神様』のエンドクレジットでは“劇場営業”です。
チームプレーで松竹映画の上映期間、回数、料率などを交渉して、作品の興行収入を上げ、集金し、映画上映を“完了”することが業務です。
劇場には「この映画を上映してよかった」、お客様には「この劇場でこの映画を見て良かった」と思っていただけるように、心がけています。
◆劇場の方の『キネマの神様』に対する反応は?
製作発表の時から、「ウチで上映したい」と言って下さった劇場があって、とても嬉しかったです。
山田監督の新作が「映画の映画」だということに、大きな手応えを感じました。
◆本作に営業部として関わる中で、他の作品とは違う出来事はありましたか?
2019年5月に、原作のモデルとなったギンレイホールに共同脚本の朝原さん、プロデューサーの房さん、阿部さんと4名で伺い、その後も、撮影協力など、様々なご協力をいただきました。
山田監督は、ギンレイホール社長加藤忠さんの成田映画センターにも行ったそうです。
この時、久保田支配人が「無事に完成したら一緒に見ましょうね!」と言って下さり、ついに先日、ベテランの映写技師お二人とともに、東劇の試写室で再会がかなって、感激しました。
また、早稲田松竹には、撮影所の西村さんをはじめとする美術スタッフと取材に行き、大変お世話になりました。
皆さまに深く感謝しております。
◆本作を劇場の方にご紹介(営業)する上で、他の作品とは違う部分など、こだわった点はありますか?
コロナ禍のために、劇場の方々とお会いできる機会が減り、公開日をはじめとする上映条件の変更が現在も続いていますが、一方で、連日のように映画を応援して下さるお客様の声を、テレビやSNSを通して知ることができ、改めて感謝しています。
特に本作は、8月6日の公開が決定し、映画館と映画人の、そして家族の物語なので、「今だからこそ、見ていただきたい」という気持ちが日々強くなっています。
具体的には、「キネマの神様」だからこそ、皆さまにお伝えしたいという意気込みで、次の3つに営業チームで取り組んでいます。
(#キネマ名鑑)
全国にある映画館の魅力を「セールス」の視点でご紹介しています。
更新を続けていますので、ぜひご覧ください。
お気に入りの映画館、行ってみたい映画館がきっとあるはずです。
https://twitter.com/i/events/1357522273746313217?s=12
(特選DCP上映)
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=kinetokuDCP)
国内外で高い評価を得た松竹映画を、改めて、あるいは初めて、「DCPで上映していただきたい、ご覧いただきたい」と企画しました。
当初は5月に、松竹映画が誕生した10年後の1930年に演劇の劇場「東京劇場」として開館した「東劇」でスタートする予定でしたが、残念ながら、緊急事態宣言の発令があって、中止となりました。
しかし、その後、アップリンクの石井さんが手を挙げてくださり、7月30日から9月2日まで、トークショーも交えて、実施されることになりました。
アップリンク吉祥寺
https://movies.shochiku.co.jp/kinema-kamisama/news/dcpinfo1/
順次、各地の劇場で開催を目指していますので、ご注目ください。
(松竹映画100周年上映/終了または上映中)
各劇場支配人の作品選定によって、松竹映画100周年の特集上映を開催いたしました。
シネマヴェーラ渋谷「松竹映画百周年記念特集 ホームドラマの系譜」(全18作品、2020/7/4~7/24)※終了
神保町シアター「松竹映画100周年”監督至上主義”の映画史」(全15作品、2020/11/21~12/25)※終了
シネ・ヌーヴォ「松竹映画100周年 松竹メロドラマの系譜」(全32作品、2021/2/6~3/26)※終了
ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭 -1年遅れの松竹映画100周年祝-」(全37作品、2021/5/30~7/31)※上映中
◆この作品を通して、“映画館で映画を観ること”についてご自身の中で考え方が変わったことはありますか?
2012年、京都の南座で山田洋次監督の全作上映が開催された時、お客様の間で上映後の拍手が恒例となっていきました。
「あぁ、良かったね」を共有するお客様を、毎日見たんです。
『キネマの神様』の菅田将暉さん演じる若かりし頃のゴウの気持ちと同じだ、映画に関わる仕事をしていて、一番うれしいのは、きっとこれだと思いました。
◆『キネマの神様』を楽しみにしている皆さんへ一言
映画館で映画を見ることの素晴らしさを、「映画と映画人とその家族」の物語を通じて、実感していただける作品です。
ぜひ、劇場へお越しください。