この度、本作を応援してくださった観客の方々へ感謝の気持ちを込めて、主演の倍賞千恵子、木村拓哉、蒼井優、山田洋次監督が登壇する大ヒット御礼舞台挨拶を開催!ヒットを受けての想いが語られるほか、SNS で募集したファンからの質問に登壇者が赤裸々回答する大熱狂のイベントとなった。

作品を鑑賞し、感動の渦に包まれている大勢の観客を前に倍賞は「作品を見ていただいたみなさんの前で挨拶するのは恥ずかしく思いますが、スタッフさん・俳優さんと一生懸命にこの映画を作りました。今日はこんなに沢山の方に来ていただいて本当に嬉しく思います」と喜びの想いを語った。

そして数々の話題作を抑え、邦画実写映画として40週ぶりの初登場1位という快挙を達成し、映画ファンからも大絶賛の声が響く本作について、木村は「普段、映画やドラマをやらしていただいた際には、それほど連絡は頂かないんですけど、今回はすごくお久しぶりな方からも連絡をいただきました。自分たちは監督の下で作品を作らせてもらったので、皆さんに『観てくれてありがとう』と声を大にして言いたいんですけど、逆に皆さんが僕たちに向けて下さる『ありがとう』の言葉が印象的でした。後ろの看板に書いてある感想に『にわか雨のように泣く』って書いてあります。このような感想は、目の前を流れていったストーリーや時間によって、感情が反射のように動く作品を残してくれた監督が、今回もメガホンを取ってくれたからだと思います」と語ると、山田監督は「そんなことありませんよ」と謙遜し、会場は笑いに包まれた。すると木村は、「監督の今の一言に皆さんが笑ったように、監督が与えてくれた作品や思い出の延長にこの『TOKYOタクシー』という作品があるように感じます。そこに皆さんがタッチしてくださったのかなと思います」と語った。

倍賞演じるすみれの、若かりし頃を演じた蒼井は「私は親友から『人の役に立って死にたいと思った。すみれさんの生き方を観て、誰かの役に立ったり、浩二さんのように誰かに優しくなりたいと明確に思った』という感想が届きました。本当に嬉しかったです。」と、自身に届いた反響を告白。

そして監督を務める山田洋次も「公開の翌日、僕の家のポストに黄色いカードが入っていました。パトロールしているお巡りさんからのメモだったんです。その中に『TOKYOタクシーを観てきました。すごくいい映画でした。監督さんありがとうございました。』と書いてあったんです。僕は嬉しくてね!急にそのお巡りさんが身近な人に感じて、次の日に派出所に御礼を言いにいったんです。ですが残念ながらいらっしゃらなかったんです。そしたら、またポストに黄色いカードが入っていて、『先日はわざわざおみえになってありがとうございました』って書いてあったんです。そこから黄色いカードを通してお巡りさんとの交流が始まったので、『これは“幸福の黄色いカード”と言うべきかな』なんて思っていました」と、自身の代表作である『幸福の黄色いハンカチ』をもじった驚きのエピソードを明かすと、会場に集まった山田洋次ファンからは歓声が上がった。

そして舞台挨拶では、SNSで募集した質問に登壇者が直接回答する<質問コーナー>を実施。まず「TOKYOタクシー、何度観ても新しい発見があり楽しいです。 撮影現場で流石山田組は違う!と感じたセットや監督のこだわりを感じたシーン等、 撮影秘話を皆さんから聞きたいです。」という質問に対し、木村は「誰しも時間に追われるということがあると思うんですけど、山田組は、やるべきことに対する時間のかけ方が特に豊かなんです。もちろん、今の時代は現場にも守らなければいけないルールや決まり事はあるんですけど、時間のかけ方が贅沢で、毎回現場を出る時は早く帰りたくて一日が終わるっていう日が一日もなかったです。いつも『今日の現場も終わってしまった..』という感覚でしたね」と撮影を振り返った。蒼井も「山田組には緊張感もあるんですけど、『この現場と作品に対する愛情を疑う余地がない』っていう安心感もあります。どこを切り取っても、この作品と山田組という環境は本当に幸せなことです。なので、久しぶりに山田組に参加できて、改めて『なんて幸せな経験なんだろう』と感じていました」と語った。次の「皆さんは、実際にこんなタクシーがあったら乗りたい!というタクシーはありますか?」という質問に対し、倍賞は「浩二さん以上のドライバーさんは、どう考えてもいないですからね。でも印象的な思い出があって、東日本大震災の時に家に帰れなくなって、タクシーに乗ろうとしたときに、タクシー乗り場に行ったら鶴瓶さんがいらっしゃって、周りの人に『渋谷方面に行く人?』って聞いていました。それを見て、私は横浜住みだったので『横浜行く人?』と聞いたら、誰も手が挙がらなかったんです。なので、6時間くらい車で運転手さんとお話をしたんですけど、その方が食器棚にどんな食器が入っているかまで、色々な話をしてくれるんですよ。『運転手さんは浩二さんのように、自分の話を私にしたかったんじゃないかな』と、この作品をやった今になって思います。」と回答。木村は「できるだけスムーズに運転してくれる人がいいですよね。でも、今回嬉しかったのが実際にタクシードライバーの方が、お仕事の合間にスクリーンに足を運んでいただいたことです。『タクシードライバーなら観ておかないとな』というリアクションを頂いたのが嬉しかったです。これからタクシーに乗る機会があれば、ドライバーさんとの空気感を楽しんでみたいなと思います」と語った。
最後には、木村が「短い時間でしたが本当にありがとうございました。今後も、この作品を皆さんの傍らに携えていただければ嬉しいなと思います。またいつでも乗りたくなったらご乗車をお願いします。」と語り、倍賞も「今日は沢山の方に来ていただき嬉しいです。お家に帰ったら、是非お友達や親せきの方にこの映画の事をお話して、劇場に足を運ぶようにお誘いいただければ嬉しく思います」と、本作が、まだまだ全国に広がり続けることを願い、大ヒット御礼舞台挨拶は幕を閉じた。