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【TOKYOタクシー】山田洋次監督、倍賞千恵子が東北を巡礼! 大ヒット御礼舞台挨拶に登壇でファン歓喜

公開4週目で観客動員数100万人を突破、興行収入15億円目前となる大ヒットを記録し、まだまだ全国的な盛り上がりを見せている本作。この度、山田洋次監督と、倍賞千恵子、本作ですみれが向かう高齢者施設のマネージャー・東を演じる、山田作品常連の俳優・北山雅康が登壇する舞台挨拶が、盛岡と仙台の2箇所で開催!本作の盛り上がりへの感謝や撮影裏話が語られるだけではなく、東北にて撮影が行われたかつての山田作品を振り返るなど、ファンにはたまらないイベントとなった。

公開前から、宮崎県から大阪府、和歌山県、山口県、そして本作の舞台となる東京まで全国各地を巡り、山田作品らしく人との繋がりを築いてきた本作。12月21日(日)に舞台挨拶が行われた岩手県は、山田監督が1975年に制作した倍賞千恵子主演の映画『同胞』の舞台でもあるゆかりの地。最新作を引っ提げての凱旋に会場に集まった地元民からは盛大な拍手と歓声が贈られた。

舞台挨拶では客席からの質問コーナーが設けられ、会場に集まったファンからの「山田監督は台本を大切にされているイメージですが、『TOKYOタクシー』でのすみれさんには少しアドリブっぽいところをあちこちに感じました。今回は倍賞さんの主演ということで特別だったのでしょうか?」という質問に、北山が「山田組には基本アドリブはありませんよね」と明かすと、山田監督は「まずシナリオがあって、シナリオに基づいたセリフを俳優さんが言うんだけど、シナリオっていうのは完成形ではない。もっとよくなるんじゃないか、もっといい表現があるんじゃないかといつも考えているから、現場でセリフを変えたりもする。だから僕はアドリブというのは、人間を正確に表現するために一生懸命辿っていくものだと思っています。渥美(清)さんなんかは、台本よりもさらに的確な表現をしてくれるので、僕の方がびっくりする。それで『渥美さん今のセリフよかったね』と言うと、渥美さんは『僕どんな風に言いました?』って。そんな良い表現が無意識のうちに出てくる、優れた俳優と言うのはそういうものだと思わされました。」と回答。倍賞はこれを受け、「私も今回は何箇所かそういう、セリフと違うことを言っちゃったことがあったんです。『綺麗に言い間違えちゃった!』って言いながら、それがもう楽しくて楽しくて。それがきっかけで、すみれさんという人物のことがさらによく分かった気がして、彼女はこんな人なんだな、楽しい人なんだなって理解が深まって。教会で『南無阿弥陀仏』って言っちゃったシーンも、なんだかどこかお兄ちゃんみたいだなあと思いながらすっごく楽しんでいました。」と撮影を振り返り、会場はあたたかな笑いに包まれた。

この日のイベントは、岩手県松尾村(現・八幡平市)で撮影された映画『同胞』の公開50周年を記念して行われ、同作で主演を務めた倍賞は「寺尾(聰)くんとのシーンでなかなか上手くいかなくて、リテイクもしたけどやっぱり上手く演技ができなくてどうしようと悩んでいたときに、青年団の方達とお酒を飲みながらポロポロ泣いた記憶がある。みんな酔っ払いながら『できるよ!頑張れ!』って言ってくれて、そのおかげで次の日頑張ってお芝居ができたと思っています。」と撮影当時を振り返った。山田監督も、「『同胞』は青年団と一緒に作りました。50年も前の映画のために、こんなにもたくさんの方が集まってくださって、監督としてこんなに嬉しいことはありません。」と、感慨深げに語った。公開から 50 年を迎えた今でも当時の出演者をはじめ松尾村の人たちとの関係が続いている『同胞』。その立役者であり、映画にも地元民として出演した工藤金子さんから「松尾村の財産、風景、人々の笑顔をいっぱい残してくれて本当にありがとう」と感謝の言葉が贈られると、倍賞は「青年団として出演した人たちが、私も含めて皆おじいさん、おばあさんになって。でも工藤金子さんがいてくれたからここまで続いたんじゃないかなって思っています。ありがとうございます。」と改めて感謝の気持ちを告白した。

続いて、12月22日(月)には宮城県・仙台市でも『TOKYOタクシー』の舞台挨拶を開催!山田監督は「こんなに大勢の方に来てくださって、本当にありがとうございます。本来なら木村拓哉くんも一緒にここに来て、皆さんにお礼を言えればよかったのですが、今回は言わばそのお礼のようなつもりで来ました。」と挨拶。

この会場でも質問コーナーが設けられ、会場からたくさんの手が挙がった。「劇中ですみれさんが何度か手を合わせていたのが印象的でしたが、最初に柴又帝釈天で手を合わせていたのはどうしてですか?」という質問が出ると、倍賞は「すみれがあの町を去るので最後に『本当にありがとうございました』という気持ちです。ですが本音を言いますと、『男はつらいよ』が柴又で終わりまして、『TOKYOタクシー』はまた柴又から始まるということで、いろんな意味で今までありがとうございましたっていう意味と、これから始まるタクシーの旅が上手く進みますようにという思いもありましたし、すみれさんとして、本当にこの町にありがとうございましたっていう。三つくらいの意味が私の中にあった気がします。」と明かした。

また、「すみれさんのネイルがとても素敵でした」という観客からの声に倍賞は「あのネイルは3時間くらいかかったんですよ。撮影中も時々直していただいたんですが、暗がりの中で直してもらっているとパッと周りが明るくなって、ふと見ると木村拓哉くんがスマホのライトで照らしてくれていたなんてこともありました。」と振り返った。そしてイベントの最後には山田監督が「完成した映画が無事に封切を迎えて、こんなにあたたかい空気の中でご挨拶できることは、そんな度々あることではないですよね。本当に嬉しいです。色々苦労はあったけど、作ってよかったなという思いに今改めて浸っております。本当に今日はありがとうございました。」と、本作がまだまだ全国に広がり続けることを願い、舞台挨拶は幕を閉じた。

 

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