東京物語
公開年:1953年/上映時間:135分
著名人のおすすめコメント
- 山田洋次映画監督世界中の映画人が、この作品を映画史の中でのNo.1にあげることについて異論はない筈です。
この作品が作られた松竹大船撮影所で修行したことを、そして小津監督の謦咳に接する機会があったことを、ぼくは心から誇りに思っています。 - 毎熊克哉俳優動きのないカメラ、抑揚の無い日常的やり取り。 善人も悪人も出てこない。 大きな出来事も無く、ただ老夫婦の人生の最後とその家族達を眺めているだけ。
なのに、強烈に残酷。 "東京"というのは場所ではなくて、時代が変化していく事の象徴なんじゃないかと思います。
時代に適応しながら必死に生きていく。 その中で一生閉じ込めておきたい時間なんかもあったりするけど、それらは時間に流れてどこかへ消えて、変わってしまう。
生きていること自体が残酷だなと思ってしまうけど、それでも悪くは無いなと不思議な余韻を感じる映画。 また歳を重ねて何度でも観たい。
一般の方のおすすめコメント
- Comment熱海の朝の海岸べりで、二人は話をしている。もう帰ろうかと立ち上がろうとするとふいに東山千恵子がうずくまる。どうしたんだと笠智衆がのっそり駆け寄っていく。背景の海は朝日に照らされてきらきらと輝いている。この短い静かな場面の中に、老夫婦の悲しみと慈しみ、そして、別れがよく描かれていると思う。なるせたろう/50代
- Comment老人が「今日も暑うなるぞ」と呟く時、私たちは図らずも世界の秘密を知ってしまったと、そんな気持ちになる映画です。oldrookie/60代
- Comment"笠智衆の雄弁かつ寡黙な眼差しが、いつまでも忘れられない。
どんなに台詞を重ねるとも、あの目の語る言葉の前には無きに等しい。
彼を思い出すとき、口を自然閉じてしまいます。"蒲柳堂/20代 - Comment生まれて初めて観た小津安二郎監督作品は、単調な物語だと思っていたはずが、強く引き込まれてしまった。過去の映画に「新しい」という感覚を抱いてしまったことで、自分が生きていた世界の小ささに気付くことができた。今までの映画に対する思い込みが取り払われ、スクリーンと自分自身との関係を意識するきっかけとなった大切な1作。赤井佑/20代