「落語を超えた究極の話芸!」と絶賛される
立川志の輔の新作落語を映画化した『大河への道』がついに完成!
完成披露試写会に主演の中井貴一と原作の立川志の輔が登壇しました。
1,500人を超える応募者の中から、選び抜かれた150人の当選者が見守る中、中井と志の輔がステージに登場。作品の初上映を前に企画・主演の中井は「この企画を始めたのは今から5年前。コロナ禍での撮影中断を挟みながら、今日ここで皆さんにお見せすることができることとなりました。そのことだけでも感無量です」と言葉を噛みしめました。
中井が約5年前に本作の原作となる志の輔の新作落語に感動し、映画化を直談判したことからすべては始まった。先に落語のタイトル「大河への道‐伊能忠敬物語‐」に興味を持ったという中井は「きっとロケ地は中国で、黄河や長江の大河に向かう日本人が文化や文明との出会いを通して成長していく物語だろうと思った」と妄想。「大河への道‐伊能忠敬物語‐」を観た中井は「こっちの大河(ドラマ)かいっ!」とビックリ。それでも「『これは映画になる!』と思った。しかも志の輔師匠の落語は映像が浮かび上がる」と確信し、企画&主演でプロジェクトを走らせ、映画『大河への道』への道となった経緯を明かしました。
これに志の輔は「中国の大河というのは一切頭になかった」と笑わせつつ、記録用DVDで落語を視聴した中井から電話で「映画にしたい!」と熱弁された際も「中井さんはこういう誉め言葉を使うんだと理解していました」とお世辞と勘違い。それだけにまさかの映画化&完成に「中井さんにDVDを貸して良かったなあと。電話をいただいた時に『落語が映画になるわけない!』と即電話を切っていたら今日はありません。DVDと電話、その二つをよく乗り越えたなと、今では自分で自分を褒めています」と自賛し観客の笑いを誘いました。
さらに志の輔は、中井と松山ケンイチに挟まれて俳優としても参加。「京都の撮影所でお二人に挟まれてものを言うとは。落語を40年やってきましたが、緊張というか浮いたような感じというか」と恐縮しきり。しかも当該シーンの撮影がワンシーンワンカットによる撮影だとは知らされておらず、中井に対して「こんなこと志の輔に出来るわけがない!無謀だ!芝居する仲間に入れるのは間違いだ!と言うべきです」と公開クレーム。すると中井は「僕も本当は企画だけで出演しないつもりでした。でもプロデューサーからは『何を言っているんですか?無理ですよ』と鼻で笑われて。だから志の輔さんに映画化の話を持っていったときは、死なばもろともでした」と饒舌に裏話をぶっちゃける一面も。
息の合ったトークが繰り広げられる中、ステージには伊能忠敬が55歳から日本全国を測量し始めて、約地球一周分の距離を歩いて作った「⼤⽇本沿海輿地全図」(通称:伊能図)という初の⽇本地図が登場。この全国を歩きながら作った伊能図の上に、衛星写真を元にした正確な⽇本列島を重ねると、ほぼピッタリ当てはまるというのだから驚きです。
千葉県香取市にある伊能忠敬記念館を偶然訪れたことから、伊能図の正確さに衝撃を受けたという志の輔。「伊能忠敬の落語を最後まで作れたのは、これを見た時の感動があったから。それくらいスゴイと思った」と初対面時を回想。一方の中井は「もちろん伊能忠敬の偉業は当然のことながら、そこから新作落語を作り上げた志の輔師匠流のロマンを映画化したいと思った。志の輔師匠の偉業を後世に残せたらと思った」と本作を作り上げた核となる原動力を口にしました。
また本作の主題歌を、今年ソロデビュー35周年の⽟置浩⼆が務めることも発表された。主題歌として『星路』(みち)を書き下ろした玉置から届いた「微力ながら、僕の歌が映画『大河への道』を少しでも照らすことが出来たなら、嬉しく思います。映画の御成功、心からお祈りしています」とのコメントが読み上げられると、中井は「エンディングに流れる曲ですが、オープニングから流したいと思うくらいの良い歌。快く作ってくださった玉置浩二さんには心からの感謝をしたい」と聴きどころに挙げました。
最後に志の輔は「伊能忠敬の偉業を助けた人たちの物語として作った落語を脚本に上手く落とし込んでいただきました。今の日本を形作った偉業を成し遂げた人たちは、決して伊能本人だけではないという、人間賛歌の物語です。極上のコメディーであり極上のエンターテインメント」と自信を持って送り出す構えを見せ、中井は「今エンターテインメントは大変なところに追いやれているけれど、映画館も劇場も万全の態勢をとって皆さんをお迎えできるような状態になっています。どうぞ怖がる気持ちなく劇場に足を運んでいただき、笑いや涙を共有する時間を持っていただきたい。それが人間の生活の一部になることを願っています」とコロナ終息祈願と共に、本作の全国公開への期待を込めました。