


敏腕弁護士のディアーヌは、女たらしの夫と3年前に離婚。だが仕事のパートナーでもある彼とは毎日オフィスで顔を突き合わせるため、口論が絶えない。今日もむしゃくしゃする気持ちで帰宅した彼女のもとに、一本の電話が入る。相手の名はアレクサンドル。ディアーヌがレストランに忘れた携帯を拾ったので、渡したいという。彼の知的でユーモラスな口調に気分も一変、ほのかなときめきを覚えたディアーヌは、さっそく翌日彼と会うことに。久々にドレスアップをして、期待に胸を膨らませて待っていた彼女の前に現れたのはしかし、自分よりもずっと身長の低い男性だった。
当てがはずれたディアーヌは早めに切り上げようとするが、茶目っ気たっぷりのアレクサンドルの話術にいつのまにか魅了されていく。リッチで知的で才能あふれる建築家の彼は、そんな彼女にいままで経験したことのないエキサイティングな体験をプレゼントしたいと申し出て、飛行場に案内する。あっけにとられる彼女の手を引き、セスナから一緒に空中ダイビングを試みる。絶叫の瞬間の後に訪れる高揚に、胸を弾ませるディアーヌ。すっかり意気投合した彼らは、次のデートを約束して別れる。
こうしてふたりの距離は急速に縮まっていったが、周囲の反応は穏やかではなかった。ディアーヌにいまだ心惹かれている夫は、相手が背の低い男と知ってショックを受け、アレクサンドルを侮辱する。ディアーヌの母親は、社会的体裁を気にして反対する。そんなムードにディアーヌ自身の心も揺れ始める。自分は周りの目を気にすることなく、この人とつきあって行けるのだろうか。アレクサンドルと本当に心を分かち合えることができるのか。そんな彼女の気持ちを敏感に察知して、アレクサンドルは尋ねる。「僕たちまだ続けられるかな」。彼の複雑な気持ちを垣間見て、ディアーヌの心はますます彼への思いと不安のあいだで引き裂かれて行く―。
全ての女性にとって永遠のテーマである「オトコの価値は何で決まる?」という問いに、彼女が出した答えとは?他人の視線や先入観に左右されがちな人間の心理を見つめさせるような普遍的なテーマも秘めた、ロマンティックで楽しいフレンチ・ラブストーリーが誕生!