松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

閉じる
私の好きな松竹映画
景山理
Profile
景山理
シネ・ヌーヴォ、
シネ・ピピア代表
1974年より自主上映グループ「シネマ・ダール」を主宰。84年に月刊「映画新聞」を創刊。99年の休刊まで156号を発行。97年1月、市民から出資を得てシネ・ヌーヴォを設立。大阪アジアン映画祭事務局長を歴任。
  • 風の中の牝鶏

    公開年:1948年/上映時間:83分/監督:小津安二郎

    Comment
    『晩春』『東京物語』などを先に見ていた者にとって、『風の中の牝雞』は衝撃だった。「小津は戦争映画を撮らない」そんな話はまったくのデタラメだった。これはまぎれもない戦争映画だ。戦場こそ出てはこないが、戦争による家族の分断、悲劇が圧倒的なまでの凄さで描かれている。盟友・山中貞雄を戦争で失った悲しみ、そして戦時中の体験…。そのことが小津にとってどんなに大きなことだったのかを窺い知ることができる。この戦争に向き合う映画を撮ったからこそ、翌年の『晩春』に至ったのだ。その後、「家族」を撮り続けることになる、その家族像の原点はここにある。あまりに痛ましい小津安二郎監督の傑作、数多の名作とともの繰り返し上映していきたいと思う。