松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
立田敦子
Profile
立田敦子
映画ジャーナリスト
映画ジャーナリスト。フィガロ ジャポン、GQ JAPAN 、すばる他多数の媒体に寄稿。著書に「どっちにスター・ウォーズ」共著に「おしゃれも人生も映画から」等。Webメディア「Fan's Voice」主宰 
  • ソナチネ

    公開年:1993年/上映時間:94分/監督:北野武

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    降板した深作欣二から引き継いだ監督デビュー作『その男、凶暴につき』、『3×4X10月』、『あの夏、いちばん静かな海。』に続く監督第4作目で、主演・脚本・編集も手がけている。ヤクザを主人公に “フィルム・ノワール”的な設定で映画は始まるが、空と海の青さが眩い沖縄では、暴力団の抗争よりも、人生に疲れ、死に向かうしかないひとりのアウトサイダーの哀れと可笑しみが浮き彫りとなる。主人公をビート・たけし名で演じる北野の存在感は圧巻だが、その後に起こったバイク事故を知っている今では、主人公にその生死観をどうしても重ね合わせてしまう。
    ストーリーの省略、独特の“間”、様式化されたバイオレンスシーンなど、北野映画の美学が詰まっているが、映画監督として勢いにのった天才が、従来の方程式を度外視し、やりたい放題やっている自由さに「映画」の醍醐味を感じる、切れ味抜群の傑作。