松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
下村麻美
Profile
下村麻美
シネマトゥデイ編集長
シネマトゥデイ創業時よりの編集長。小学生の頃にブルース・リーの『燃えよドラゴン』
を映画館で観てから映画の魅力にハマる。2019年より「シネマトゥデイ金曜レイトショ
ー」のナビゲーターを務めクラッシック映画愛でる日々を送っている。
  • 異人たちとの夏

    公開年:1988年/上映時間:108分/監督:大林宣彦

    Comment
    もう30年以上前に観た映画だが、今もまったく色あせないまま心の中で宝石のように輝き続けている大林宣彦監督の『異人たちとの夏』。この世にいないはずの両親と出会うという怪奇映画のようなプロットだが、郷愁にかられメランコリックな感情が強烈に押し寄せてくる。それは大林マジックともいえる映像のなせる不思議なパワー。
    アパートの茶の間に置かれたちゃぶ台を囲む家族との温かい時間。夏の日、開け放った玄関のドアから風にゆれて少しだけ見えるレースのカーテン。夕暮れ時に外から聞こえてくるひぐらしの鳴き声。
    昭和に幼少期を送った人間であればおそらく共通する原風景が、詩の一編を切り取ったかのように美しく映像化されている。大林監督は惜しくも今年逝去され新しい映画が作られることはないが、これまでの作品は誰もが心にしまっている原風景を鮮やかに映像化する作品ばかりでこの先何年経っても色あせることはないだろう。