魚影の群れ
公開年:1983年/上映時間:135分/監督:相米慎二
私の好きな松竹映画
松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。
そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100本
をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。
松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる を直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!
全体的に、緊張感と揺らぎのテンポを繰り返す日常の中で、愛憎劇が繊細な表現でかつ、生々しく、名優たちの迫真の演技が強烈に残ってます。
夏目雅子が演歌を唄いながら自転車で坂道を下ってくるシーン、赤のねじり鉢巻きと赤いセーター、ラクダ色の股引き姿の緒形拳。
雨の中、十朱幸代が全力疾走で緒形から逃げるシーン等々好きな場面は沢山。中でもマグロと格闘するシーンは圧巻でした。
娘(夏目)が父(緒形)のズボンを穿かせ、漁に送り出す営みは会話がなくても、
命がけで海に行く男たちの過酷さを普段から家族が支えていたのだと感じ取れる、何でもない一連の動きが、ラストの方では特に泣けてきます。
この俳優と監督だから撮ることができた傑作だと思います。