松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
石井達也
Profile
石井達也
リアルサウンド映画部
編集部
リアルサウンド映画部編集部。雑誌「映画芸術」編集部出身
  • 日本春歌考

    公開年:1967年/上映時間:103分/監督:大島渚

    Comment
    大島渚映画にはよく歌を歌うシーンがあるが、タイトルの通り、本作は大島映画史上もっとも歌に溢れた作品。 NHK連続テレビ小説『エール』を観ていた方には馴染みの深い古関裕而作曲「露営の歌」や、米国フォークソングのスタンダード「Goodnight, Irene(おやすみアイリーン)」、ザ・ブロードサイド・フォーのフォークソング「若者たち」など、多種多様な楽曲が登場する。その中でも観客の心に間違いなく刻まれるのが、日本の春歌「ヨサホイ節」。軍歌、革命歌、反戦歌などが歌われる度に、荒木一郎演じる主人公がカウンターとばかりに春歌である「ヨサホイ節」を重ねていく。 右にも左も属さないノンポリである主人公が、“高尚”な権力者、インテリたちを打ちのめしてく姿は痛快だ。単なる反権力思想というわけではなく、インテリたちの形だけの反権力アジテーションがいかに空虚で薄っぺらいものかを描き出していく。生々しいリアリティと幻想的な空虚さが掛け合わされたエネルギーに満ち溢れた一作だ。