松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
マーク・シリング
Profile
マーク・シリング
映画評論家
1989年からジャパンタイムズで日本映画の批評を行い、現在ではVariety誌にも寄稿する。2000年以降、イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭の日本映画のコンサルタントも務める。
  • 乾いた花

    公開年:1964年/上映時間:96分/監督:篠田正浩

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    1964年に松竹が公開した篠田正浩監督の「乾いた花」は、ライバルのスタジオにとって、やくざ映画が主力だった時に登場した。刑務所を出所した村木(池部良)は、ギャンブルへの情熱と違法薬物への危険な好奇心を抱く女冴子(加賀まりこ)に魅了される。松竹ニューウェーブを牽引する篠田の物語の表現方法は従来および以降制作されたどのやくざ映画とも異なるものだった。スタイリッシュに白黒で撮影され、武満徹の不協和音の旋律に駆り立てられた本作は、現代的な外観と雰囲気をもっている。急速に近代化していた60年代半ばの東京が描かれる一方、戦後間もない無法な時期の荒々しさも醸し出す。当時このジャンルで流行っていた男性的なロマン主義とは一線を画す。村木は強い男の外見はしているが、脆弱さと恐怖の瞬間を垣間見せる。彼は恋人として彼女を手助けすることで、結果として状況をさらに悪化させてしまう。精神的な空虚さと視覚的な美しさが混在した唯一無二の本作は、フランシス・フォード・コッポラやマーティン・スコセッシに強い影響を与え、ボーダー・レスで独創的である。