松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
高崎卓馬
Profile
高崎卓馬
(株)電通 エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター
サントリーオランジーナ「ムッシュはつらいよ」を企画。
母と暮せばなど山田洋次作品のプロモーションのお手伝いなど。
  • 息子

    公開年:1991年/上映時間:121分/監督:山田洋次

    Comment
    男はつらいよと並行しながら生み出されていった山田洋次作品を並べると、
    そのすさまじい偉業に呆然とする。なかでも僕が心をなんども揺さぶられたのはこの「息子」だ。こんなに愛おしい人たちが生きている映画があるだろうか。誰もが苦しみながら懸命に日々を生きている。かみわない言葉もすれ違う気持ちも
    それが生きるということなのだ。この映画はなんどもなんどもそれを教えてくれる。三國連太郎の背中。孤独と郷愁。この映画を見るたびに父を思い出し、息子を思う。祖父を思い、その息子である父を思う。僕たちはこうして生きてきたひとたちのつづきを生きている。ラストシーンは何度見ても泣いちゃう。このあいだまで息子の立場で観てたのに最近父親の立場で観てる自分がいる。松竹映画とは家族を描くものと教えられた、と山田監督がおっしゃっていたが、その究極じゃないかな。小津安二郎の東京物語と山田洋次の息子。このふたつが僕のなかで「松竹の映画」です。あ、もちろん「男はつらいよ知床慕情」とかはのぞいてます。