松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

閉じる
私の好きな松竹映画
ディック・ステゲウェルンス
Profile
ディック・ステゲウェルンス
日本近現代史家(准教授)
オランダと日本の大学を経て、現在ノルウェーのオスロ大学で教える一方、ヨーロッパに日本映画、純米酒、自然派ワイン、日本音楽を紹介しています。今年7ヵ国を巡る松竹映画百年周年上映企画を催しています。
  • 秋津温泉

    公開年:1962年/上映時間:112分/監督:吉田喜重

    Comment
    吉田喜重の「秋津温泉」は成瀬巳喜男の「浮雲」と並んで、日本産メロドラマの絶頂をなしています。同じく温泉地で同じ岡田茉莉子を演出して、「浮雲」を意識せざるを得なかったでしょう。熟年の成瀬と違って吉田はまだ20代で、新米の監督です。非常に知的、スタイリッシュ、難解(多解)な作風で有名な吉田ですが、彼の作品の中で純粋なメロドラマに挑戦した唯一の物になります。その結果はまれにしか発生しないアートと商業映画の結晶です。10年ほど前ヨーロッパに移住して、定期的に日本映画関連の上映企画を西北欧各国で催していますが、最初の企画は2010年の吉田喜重の(ほぼ)全映画作品上映でした。そこで初めて「秋津温泉」の新しいプリントをどでっかいスクリーンで体験する機会を得て、自然、岡田、色、音楽に圧倒されました。映画美の至りです。