丑三つの村

実際の事件をベースに描かれたこの作品。
一見異常な殺人者の物語と思いきや、その時代、その空間、風習、全てが狂気に満ちている。

古尾谷雅人さんが犬に向かって「ワンワン」と吠えあい、
五月みどりさんがトップレスから母乳を垂らし、
池波志乃さんが負けじと妖艶な濡れ場を魅せ、
田中美佐子さんが必要じゃない所で脱ぎ、
大場久美子さんだけ脱がなかった。

古尾谷さんが「俺を夜叉にしてくれ！俺を鬼にしてくれ」と鬼気迫る顔面で村中の人間を殺しに行くのに
どこか８０年代のポップな電子音のBGM。

なんだかわからないが凄い。とてつもなく悲惨で事件も陰惨を極めるのに、凄すぎて笑ってしまう。

人間っていうのは自分のキャパを超えるシーンを観てしまうと脳にストッパーが掛かって笑うようにできてると思う。ストッパーかけまくり。完全に僕を殺しにきた映画。

人生に何度かそんな名作に出会う事がある。
そういう意味でこの作品はまごう事無き名作です。