Profile
乙一(安達寛高)
作家・映画監督
1978年生まれ、福岡県出身。96年「夏と花火と私の死体」で第6回ジャンプ小説大賞を受賞し小説家デビュー。その後、「きみにしか聞こえない」(01年刊/07年映画化)、「死にぞこないの青」(01年刊/08年映画化)、「暗いところで待ち合わせ」(02年刊/06年映画化)、「GOTH リストカット事件」(02年刊/08年映画化)、「くちびるに歌を」(中田永一名義、11年刊/15年映画化)など、様々なジャンルの小説を発表、映画化を重ねて注目を浴びてきた。またアニメーション映画『ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~』(09/佐藤信介監督)に共同脚本家として参加。大学時代に自主映画を撮り始め、2020年1月公開の『シライサン』(20)にて長編監督デビュー。乙一名義で執筆する原作小説「小説シライサン」が角川文庫より発売中。
クリーピー 偽りの隣人
公開年:2016年/上映時間:130分/監督:黒沢清
香川照之さん演じる隣人の完成度がすごい。視線の動き、話し方、雰囲気、その全てが絡み合って、絶妙に不可解な人間の姿をした怪物が画面に映し出されています。この映画の、日常が崩壊し、非日常の世界へと滑り落ちていくような感覚が好きです。得体のしれない不気味さが充満しており、ただのサスペンス映画ではありません。これはもはやアートの領域です。透徹された美意識によりコントロールされた悪夢のような映画です。