松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
田上真里
Profile
田上真里
長野相生座・ロキシー取締役支配人
長野相生座・ロキシーは明治25(1892)年の芝居小屋から始まり、県内初の活動写真を上映し、その後大映、松竹の直営館を経て、現在は個人館としてエンタメやアート系、ドキュメンタリーのほか、旧作上映も行い、イベントも積極的に行っている。
120年以上も前から古き商店街の娯楽の場として、今日まで親しまれております。
毎年恒例の「男はつらいよ」は年末年始に上映中。
  • 魚影の群れ

    公開年:1983年/上映時間:135分/監督:相米慎二

    Comment
    全編大間ロケ、相米監督の長回し演出がとても活きており、全ての登場人物がそこに生き、暮らしているようです。
    全体的に、緊張感と揺らぎのテンポを繰り返す日常の中で、愛憎劇が繊細な表現でかつ、生々しく、名優たちの迫真の演技が強烈に残ってます。

    夏目雅子が演歌を唄いながら自転車で坂道を下ってくるシーン、赤のねじり鉢巻きと赤いセーター、ラクダ色の股引き姿の緒形拳。
    雨の中、十朱幸代が全力疾走で緒形から逃げるシーン等々好きな場面は沢山。中でもマグロと格闘するシーンは圧巻でした。

    娘(夏目)が父(緒形)のズボンを穿かせ、漁に送り出す営みは会話がなくても、
    命がけで海に行く男たちの過酷さを普段から家族が支えていたのだと感じ取れる、何でもない一連の動きが、ラストの方では特に泣けてきます。

    この俳優と監督だから撮ることができた傑作だと思います。