魚影の群れ
公開年:1983年/上映時間:135分
著名人のおすすめコメント
- 田上真里長野相生座・ロキシー取締役支配人全編大間ロケ、相米監督の長回し演出がとても活きており、全ての登場人物がそこに生き、暮らしているようです。
全体的に、緊張感と揺らぎのテンポを繰り返す日常の中で、愛憎劇が繊細な表現でかつ、生々しく、名優たちの迫真の演技が強烈に残ってます。
夏目雅子が演歌を唄いながら自転車で坂道を下ってくるシーン、赤のねじり鉢巻きと赤いセーター、ラクダ色の股引き姿の緒形拳。
雨の中、十朱幸代が全力疾走で緒形から逃げるシーン等々好きな場面は沢山。中でもマグロと格闘するシーンは圧巻でした。
娘(夏目)が父(緒形)のズボンを穿かせ、漁に送り出す営みは会話がなくても、
命がけで海に行く男たちの過酷さを普段から家族が支えていたのだと感じ取れる、何でもない一連の動きが、ラストの方では特に泣けてきます。
この俳優と監督だから撮ることができた傑作だと思います。