松竹は、100年に渡り約5,000タイトルの
映画を配給または製作し、映画史に輝く名作から、
コメディ、アクション、カルト作品まで、
さまざまな作品をお届けしてきました。

そんな中から、
“今、観たい映画”を
テーマに選んだ100

をご紹介。
初めて出会う映画から、
今また見返したい作品まで、
新たな感動に出会える作品がきっとあるはず。

松竹社員による渾身のレコメンド文から探すもよし、
気になる#タグを直感で選ぶもよし!
とっておきの1本を、
みつけてください!

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私の好きな松竹映画
橋口亮輔
Profile
橋口亮輔
映画監督
1962年生まれ、長崎県出身。92年、初の劇場公開映画『二十才の微熱』は、劇場記録を塗り替える大ヒット記録。2作目の『渚のシンドバッド』(95’)は、ロッテルダム国際映画祭グランプリ他、数々の賞に輝いた。人とのつながりを求めて子供を作ろうとする女性とゲイカップルの姿を描いた3作目『ハッシュ!』(02’)は、第54回カンヌ国際映画祭監督週間に正式招待され、世界69各国以上の国で公開。国内でも、文化庁優秀映画大賞をはじめ数々の賞を受賞。6年振りの新作となった『ぐるりのこと。』(08’)は、女優・木村多江に数多くの 女優賞を、リリー・フランキーには新人賞をもたらし、その演出力が高く評価された。7年ぶりの長編となった『恋人たち』(15’)は、第89回キネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得したほか、数多くの映画賞に輝いた。
  • 二十四の瞳

    公開年:1954年/上映時間:156分/監督:木下惠介

    Comment
    瀬戸内海の小豆島を舞台に、戦中戦後を通して、高峰秀子演じる女教師と生徒の子どもたちの繋がりを描いた日本映画の名作中の名作である。その中に、肺病で死んでいく少女が登場する。少女は、家族にも疎まれてたった一人であばら家に寝かされている。そこに、大石先生がお見舞いに来る。少女は、「先生、あたし苦労しました」と言う。先生は、ほとんどオウム返しのように「そうね、苦労したでしょうね」と答える。その瞬間、少女は堰を切ったように先生に自分の思いをぶちまける。若い頃は、この場面をお涙頂戴のようにとらえていた。しかし、改めて見直すと、人間の孤独、人生の厳しさというものを本当に理解していなかればこの場面は描けなかったということが分かる。かつて木下恵介という本物の映画人がいて、本物の映画を作っていた。そして、その人は、世界の理不尽さに怒り、人に対して圧倒的共感を持って人生の厳しさと美しさを描き続けた。僕もそうありたいと心から思う。